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今季一軍出場なしの清宮幸太郎 新庄監督の「減量指令」で来季覚醒なるか

 

ボールを遠くに飛ばす天性の素質


今季は一軍出場がなかった清宮


 日本ハムが生まれ変わろうとしている。東京五輪で侍ジャパンの監督として金メダルに導いた稲葉篤紀GM、新庄剛志監督が新たに就任。海外FA権を持つ西川遥輝、国内FA権を持つ大田泰示秋吉亮と話し合った結果、来季の契約を提示せず保留手続きを行わないと発表した。3選手は自由契約となり、退団の可能性が高い。若返りを断行する中で来季のキーマンの1人になる可能性を秘めているのが清宮幸太郎だ。

 和製大砲として期待が大きいが、昨季はプロ4年目で初の一軍出場なし。イースタンで106試合出場、打率.199、19本塁打、60打点と本塁打王のタイトルを獲得したが、リーグワーストの113三振と粗さが目立った。チームが下位に低迷しているにもかかわらず一軍に昇格できなかったのは、確実性がまだまだ足りないと判断されたからだろう。契約更改では野球協約の減額制限(25パーセント)に迫る約23パーセントの500万円減となる推定年俸1700万円でサインした。

 新庄監督も期待しているがゆえに、減量指令を出した。報道によると、沖縄・国頭の秋季キャンプを視察した際、「ちょっとデブじゃね? ちょっとやせない? やせたほうがモテるよ」と問いかけた。清宮は「やせてしまったら打球が飛ばなくなるのが怖いです」と悩みを口にすると、「今もそんなに打球飛んでないよ。昔の方がもっと飛んでた。昔のほうがスリムじゃなかった? それはキレがあったから。今はちょっとキレがない気がするからやせてみよう」と助言を送ったという。

 ボールを遠くへ飛ばす天性の資質を持っているだけに、このまま伸び悩んでいるのは惜しい。早実では史上最多の高校通算111本塁打をマーク。「和製ベーブ・ルース」と形容され、ドラフトで高校生最多タイの7球団が競合した。

 清宮は入団当時に週刊ベースボールのインタビューでこう語っている。

「もう、シンプルにプロの世界で僕は打てるのかなと。高校でも結果的に111本のホームランを打ちましたけど、3年間自信があったわけではまったくないですから。本当にやってみないと分からない。そういった部分で不安も少なからずあります」

「100パーセント自信があるかと言われたらそれは絶対ないですし、きっとプロはそんなに甘い世界ではないですから。だからこそ、これからたくさん見えてくる課題を1つずつクリアしながらやっていくしかないと思っています。そういうのもあって1年目の数字的な目標は現段階ではないですし、とにかくまずは自分の力をもっと磨いて、チームに必要な選手に1日でも早くなれるように努力していきたいです」

高卒1年目では9位タイの記録


 プロの世界で対応できるか不安な胸中を口にしていたが、入団1年目は53試合出場で打率200、7本塁打、18打点。7本塁打は早実の大先輩にあたる1959年の巨人王貞治(現ソフトバンク球団会長)に並び、高卒1年目では9位タイの記録だった。

 長距離砲の片鱗を見せたが、その後は度重なる故障も影響して伸び悩んでいる。昨年までは結果が出なくても今後を見据えて起用されていたが、進化が見えなければ首脳陣の評価も変わってくる。今季一軍出場なしに終わった現実をどう受け止めるか。新庄監督や日本ハムファンは、肉体も心も変化して覚醒する清宮の姿を心待ちにしている。

写真=BBM
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