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先発陣は大貫の6勝が最多で守護神不在…DeNAが「トレード補強」乗り出す可能性も

 

先発ローテーションが機能せず


監督1年目の今季は最下位に終わった三浦監督


 三浦大輔監督就任1年目のDeNAは6年ぶりの最下位に沈んだ。559得点はヤクルトに次ぐリーグ2位と相手に脅威を与えたが、624失点、チーム防御率4.15はいずれもリーグワーストと投手陣は崩壊状態だった。来年のコーチングスタッフにDeNAは石井琢朗野手総合コーチ、鈴木尚典打撃コーチ、斎藤隆チーフ投手コーチ、相川亮二バッテリーコーチを招聘したが、ディフェンス強化が急務だろう。

 今季は出足でつまずいたのが大きく響いた。開幕から2つの引き分けを挟んで6連敗。9試合目にシーズン1勝目を挙げたが、その後も波に乗れずに4月に10連敗と長いトンネルから抜け出せなかった。3、4月の月間成績は6勝21敗4分。大きく借金を抱え込んだことで苦しい戦いを強いられた。DeNAは外国人選手がチームの戦力の中で大きなウエイトを占めている。ネフタリ・ソトタイラー・オースティンエドウィン・エスコバーと中心選手たちが新型コロナ禍で開幕までに合流が間に合わなかったのは痛手だったが、苦戦が続いたのは先発ローテーションが機能しなかったことが大きな要因だろう。

 平良拳太郎阪口皓亮、ドラフト1位右腕・入江大生が故障で手術を受けるなど次々に長期離脱。昨年2ケタ勝利を挙げた大貫晋一は春先に打ち込まれる登板が続き、チームでは最多だが6勝にとどまった。京山将弥上茶谷大河も開幕で先発ローテーションを勝ち取ったが結果を残せず早々と登録抹消。開幕投手を務めた濱口遥大、左肩のクリーニング手術から5月に復帰した今永昇太も5勝にとどまった。救援陣も守護神が固定できず、勝ち試合を何度も落とした。守護神の三嶋一輝は好不調の波が激しく、シーズン終盤に失点を重ねると、かつての抑えだった山崎康晃が2年ぶりに9回のマウンドに指名されたが機能せず、「日替わり守護神」の起用を強いられた。

 三浦監督は昨年12月に週刊ベースボールのインタビューで、守護神について言及している。

「白紙です。山崎は20年、力不足でクローザーのポジションを守ることができなかった。代わって9回を任されるようになった三嶋が結果を出した。ゼロからの競争になると思います。山崎にはもう一度はい上がって、クローザーの座をつかんでほしい。抑えは『おまえで打たれたらしょうがない』と思える投手でシーズンを通して固定するのが理想ではあります。そのためにはチームからの信頼を勝ち取る必要があります」

 三嶋、山崎に期待を込めていたが、抑えとして結果を出せなかった。

外野陣の厚みは増したが……


日本ハムを“ノンテンダーFA”となっていた大田の獲得には成功した


 今オフはDeNAが中日からFA宣言したセットアッパー・又吉克樹の獲得に乗り出したとの報道が出たが、ソフトバンクに移籍が決定。一方で、日本ハムを退団した大田泰示の獲得に成功した。外野は佐野恵太桑原将志、オースティンのレギュラー陣に加えて大田が入ったことでグッと厚みが増した。

「DeNAのウィークポイントが投手陣であることは明らかです。先発の枚数が足りないし、救援陣も補強ポイントです。大田が加入したことで、外野陣はダブついている。トレードで投手の獲得に乗り出す可能性は十分にあると思います」(スポーツ紙記者)

 ヤクルトが昨季の最下位から日本一に輝いたように、投打の歯車がかみ合えばチームがガラッと変わる可能性は十分にある。チーム再建へ。現有戦力の底上げはもちろんだが、トレード補強を敢行するか注目される。

写真=BBM
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