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直江大輔、西純矢、小林樹斗…セ・リーグ6球団 来季の「覚醒」が期待される投手は?

 

今季は高卒2年目のヤクルト奥川恭伸オリックス宮城大弥、そしてロッテ佐々木朗希が目覚ましい活躍を見せた。果たして、来季彼らのような“覚醒”が期待される投手は誰か? セ・リーグ6球団で飛躍が期待される投手をピックアップした。

読売ジャイアンツ



 勝負のプロ4年目となる。昨秋に腰を手術した影響で、今季は育成からスタートした直江大輔だ。6月に支配下復帰を果たすと、7月1日の今季一軍初登板で3イニングを投げてプロ初セーブをマーク。その後、ローテーション入りを期待され、3試合に先発するも、勝利を手にすることはできなかった。150キロに迫るストレートと、スライダー、フォークのコンビネーションで打ち取る本格派。このオフは柔軟性と体づくりをテーマに取り組み、迎える新シーズンに向けては2ケタ勝利を目標に掲げる。今季9勝の戸郷翔征とは同期入団。一軍キャリアでははるか前方を走られているが、追いつき、追い越すことを期待したい。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・寺島成輝


 2017年のドラフト1位左腕・寺島成輝に期待したい。寺島は20年、中継ぎとして30試合に登板し、防御率2.48という結果を残した。しかし21年はわずか1試合の登板に留まっている。ファームでも、21試合に登板して防御率4.80。悔しい1年に終わった。12月5日、神宮球場で行われたファン感謝デーでは、高津臣吾監督に「寺島、何かしゃべる?」とマイクを渡されると「いきなりのことで何を話していい分からないんですけど、一言だけ言わせてください。昨年、奥川(恭伸)がここでスピーチをして飛躍してると思うので、僕も来年続いていけたらいいなと思います。来年、優勝の輪に加われるように頑張りますので、応援お願いします」と宣言した。実は奥川がスピーチをしたのは20年の最終戦で、ファン感謝デーではなかったが、寺島なりに覚悟を持って言葉をつむいだ。奥川のほか、村上宗隆山田哲人清水昇らドライチの選手がチームの中心になっている。プロ6年目を迎える22年、ドライチ左腕も真価を発揮したい。

阪神タイガース



 高卒2年目の2021シーズンは2度の先発機会をもらった西純矢。プロ初登板初先発となった5月19日のヤクルト戦(甲子園)では5回無安打無失点で一軍初勝利を飾った。しかし4四球を出し、5回までで87球を要したことで先発ローテーション定着は見送られた。2度目の先発となった6月6日の交流戦、対ソフトバンク(甲子園)では初回に3失点し3回で降板となり敗戦投手に。まだまだ課題の残る1年となった。現在は投球フォームを見直している最中。高校BIG4の一人でヤクルトの奥川恭伸は日本一に貢献するなどブレーク。同僚の及川雅貴も中継ぎで存在感を示しただけに「悔しいシーズンだった」。来季の目標は「一軍で10勝」で、17年ぶりの優勝に貢献してみせるつもりだ。

広島東洋カープ



 広島では、高卒入団で2022年に2年目を迎える小林樹斗だ。ルーキーイヤーは「強化指定選手」としてじっくりと体力をつけながら、実戦登板では計画的に球数を伸ばし、11月1日のシーズン最終戦(対ヤクルト、神宮)に先発でプロ初登板を果たした。結果的に4回途中で6失点を喫して降板したが、最速152キロのストレートで押し、村上宗隆からの2打席連続のほか、山田哲人、塩見泰隆ら主力打者からのものを含めて計6三振を奪い、大器の片りんを見せた。変化球もカーブ、カットボール、スプリット、ツーシームと多彩で、プロ入り前に智弁和歌山高の練習を訪れたイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)から「使えるね」の言葉も。先発としてブレークの期待がかかる。

中日ドラゴンズ



 力強い真っすぐを投げる本格派右腕・梅津晃大。22年はプロ4年目を迎えるが、この男が先発ローテーションに入ってくると先発の層はグンと厚くなる。今年は立候補してつかんだ背番号18を背負いながら、わずか3試合登板に終わった。1年目から順に4勝、2勝、0勝と勝利も減っている。素材の高さは誰もが認めるところ。真っすぐのほかにもスライダー、カーブ、フォークと多彩な変化球を投げるのも魅力だ。課題は制球力だが、そこを必要以上に意識してしまってピッチングを狭くしている。落合英二ヘッド兼投手コーチの指導によって飛躍できるか。1年目の終盤に見せたダイナミックなピッチングを取り戻してもらいたい。

横浜DeNAベイスターズ



 覚醒と同時に、復活も期待したいのが2021年ドラフト1位入団の入江大生だ。ベイスターズでは過去に今永昇太濱口遥大東克樹ら“ドライチ・大卒投手”がルーキーイヤーから結果を残してきただけに、入江にも即戦力の働きが求められた。その期待に応えるように開幕先発ローテーション入りを果たしたまではよかったが、初登板から4連敗とプロ洗礼を浴び、ファームで再調整。8月には右ヒジのクリーニング手術を行い、残りのシーズンはリハビリに明け暮れた。術後の経過は順調で、すでにブルペンでの投球も再開。今季の悔しさを糧に、春季キャンプでは一からアピールする覚悟だ。

写真=BBM
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