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巨人・丸佳浩はレギュラー確定ではない? ウォーカー加入、西川遥輝調査で外野が激戦区に

 

9年ぶりのファームを経験


巨人移籍3年目の今季、納得のいかない打撃成績に終わった丸


 来季の巨人は外野で熾烈なレギュラー争いが繰り広げられそうだ。日本ハムを自由契約になった西川遥輝の獲得調査に乗り出していることがメディア各社で報じられると、12月15日に今季米独立リーグに所属したアダム・ウォーカーの獲得が発表された。ウォーカーはメジャー経験がないが、今季独立リーグで100試合出場し、打率.320、33本塁打、101打点をマーク。2年連続でリーグMVPに輝いた。粗削りな部分があり、変化球への対応などがポイントになるが、長打力が武器の強打者だ。

 ウォーカーに続いて西川を獲得すれば、外野のレギュラー争いは激化する。西川は今季打率.233、3本塁打、35打点、24盗塁。打撃成績はレギュラーに定着後自己ワーストの数字だったが、自身4度目の盗塁王を獲得した。通算出塁率.380と球界を代表する一番打者として長年活躍してきただけに、リードオフマンとして期待される。

 巨人の外野陣を見渡すと、右翼は135試合出場で打率.274、12本塁打、37打点、15盗塁と大きく飛躍した松原聖弥、左翼は勝負強い打撃が光るムードメーカーのウィーラー、中堅は攻守の中心選手・丸佳浩が基本的な布陣だった。

 丸は広島時代に17、18年と2年連続リーグMVPに輝き、18年オフに巨人にFA移籍すると、19、20年のリーグ連覇に大きく貢献した。外野の守備でも13年から7年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞。外野陣の中で実績は抜きん出ているが来季のレギュラーが確定しているとまでは言い切れない。今季は打撃の状態が上がらず、6月に故障以外で広島在籍時以来9年ぶりにファーム降格を経験。一軍復帰後も快音が聞かれなくなった夏場にスタメンを外れる機会があった。

 野球評論家の川口和久氏は10月に週刊ベースボールのWEBコラムで、丸についてこう懸念している。

「30歳を過ぎて確実に衰えるものもある。投手であれば関節のしなやかさだったり、打者であれば目だ。視力というより、動体視力だね。少しずつだが、確実に落ち、スピードボールへの対応が鈍くなる。俺がいま心配なのが、32歳の巨人の丸佳浩。現在の打率は.251だが、調子の波が大きく、不振の時期が長くなっている。気になったのは守備。エラーにはなってないが、走って追いかけた際の、いわゆる球際の精度が今一歩だ。外野手経験はないが、視力が落ち、乱視が出たりすると、走りながらの捕球はボールが揺れて見えて難しくなるという。本人に聞いたわけじゃないので違っていたら申し訳ないが、ドームでもアイブラックをつけているから、もともと光が気になるのかもしれない。特に視力が変わらないなら動体視力なのかな、と思って見ている」

三番・丸が巨人打線本来の姿


 さらに川口氏は続ける。

「もう一つ、これは視力とは関係ないかもしれないが、丸の最大の異変は、今までなら見送っていた低目のボール球に手が出ていることだ。見極めができず、体が前に出てバットが出てしまう。思い切りのいいバッターなので三振自体はもともと多かったが、今季は『え、これに手を出しちゃったの』と思う空振りが目立つ。今の丸は一発の怖さがありながらも、料理がしやすいバッターになってしまっている。技術や結果が出ないことでの焦りの問題であれば、コーチがしっかり話し合いをし、修正していってほしいが、目の問題なら、このオフに徹底的にやってみたほうがいいかもしれない。現在、目のトレーニングも進化していて、器具はジャイアンツにもあるはずだ」

 今季は118試合出場で打率.265、23本塁打、55打点。好不調が激しく不本意な成績となったが、打順別の成績を見ると3番で55試合出場し、打率.317、15本塁打、37打点と他の打順と比べて群を抜いて数字が高い。V奪回へ、丸が三番で稼働する打線が本来の姿だと言えるだろう。

写真=BBM
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