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巨人・坂本勇人 栄光も悔しさも味わった“生けるレジェンド”/チームリーダーの1年

 


 バットで快音を響かせるたび、坂本勇人は記録のカベを一つ、また一つと超えていく。その領域に足を踏み入れたことを印象付けたシーズンだった。昨年11月、榎本喜八(毎日ほか)に次ぐ史上2番目に若い31歳10カ月で通算2000安打に到達。キャプテン7年目に突入した今季も「とにかく打ちまくりたい」と気持ちを新たにして臨み、通算記録で数々の金字塔を打ち立てた。

 4月16日のDeNA戦(横浜)では遊撃手としての通算出場が歴代最多の1778試合となり、「トレーナーさんや裏方さんのおかげで今の自分がある」と感慨を口にした。10月2日のDeNA戦(東京ドーム)では、史上14人目、榎本と立浪和義(中日)を抜く最年少(32歳9カ月)で通算400二塁打を達成。「1つの目標だった。2000安打より達成者が少ないので価値のあることなのかな」。5月に右手親指骨折で1カ月間離脱したものの、記録更新の話題が続いた。

 ハイライトは東京五輪での金メダル獲得。正遊撃手と実質的なリーダーとして日本の快進撃を支え、「夢だった金メダルを獲れて感無量」と歓喜を味わった。一方で「若い選手がどんどん出てきているのも感じた。常にトップを走っておきたい」と新たな刺激も受けた。しかし終盤はチームとともに調子を上げられず、今季は打率.271、19本塁打、46打点と“生けるレジェンド”には物足りない数字に終わる。栄光も悔しさも味わったこの1年をムダにはしない。

写真=BBM
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