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大田泰示のDeNA加入で競争激化 本塁打王2度のソトが「レギュラー剥奪危機」も

 

外野のレギュラーは固まっているが……


今季は日本ハムでプレーした大田。来季からDeNAに戦いの舞台を移す


 DeNAが12月14日、日本ハムから自由契約となっていた大田泰示外野手の獲得を発表した。国内FA権を保有する大田は日本ハムから来季の契約を提示されない「ノンテンダー」で保留者名簿から外れ、去就が注目されていた。

 今季は76試合出場で打率.204、3本塁打、20打点と不本意な成績に終わったが、レギュラーを張れる実力を備えている。ドラフト1位で入団した巨人では伸び悩んでいたが、16年オフに日本ハムへのトレード移籍が野球人生の転機に。17年に外野のレギュラーに定着し、15本塁打をマークすると、19年に打率.289、20本塁打、77打点と自己最高の成績を更新。昨年は武器の強肩でリーグ2位の7補殺を記録するなど自身初のゴールデン・グラブ賞を獲得した。

 DeNAの外野陣はレギュラーが固まっている。左翼は昨季の首位打者で今季は全143試合出場で打率.303、17本塁打、72打点をマークした佐野恵太筒香嘉智(パイレーツ)の後継者として主将を務める精神的支柱でもある。中堅はリードオフマンの桑原将志。近年は打撃不振で出場機会を減らしていたが、今季は打率.310、14本塁打、43打点、12盗塁と自己最高の成績で復活。中堅で俊足を生かした広い守備範囲と落下地点までの速さ、球際の強さにも定評がある。右翼は東京五輪の米国代表で主軸を務めたオースティン。現役の外国人野手で「史上最強打者」とも評され、長打と確実性を備えている。来日2年目の今季はコロナ禍で開幕に間に合わなかったが、107試合出場で打率.303、28本塁打、74打点。フル出場すれば三冠王も十分に狙える。

 来季もこの3選手がレギュラーの筆頭候補になるが、大田にもチャンスは十分にある。オースティンは故障が多く、桑原も打率3割を達成したのは今季が初。相手バッテリーのマークが厳しくなる来季が正念場だ。そして、オースティンが一塁に回る選択肢も十分に考えられる。18、19年と2年連続本塁打王に輝いたソトが一塁のレギュラーだが、昨季は123試合出場で打率.234、21本塁打、62打点と来日4年目で自己ワーストの成績だった。シーズン中盤以降に調子が上がらず、クリーンアップを外れて六、七番に入ることが多かった。広角に打ち分ける本塁打は大きな魅力だが、来季もスランプが長く続くならば、スタメンが保証されているわけではない。オースティンがメジャーで本職だった一塁を守り、大田が右翼に入るオプションも十分に考えられるだろう。

固定観念にとらわれずに


 就任1年目の今季は最下位に終わった三浦大輔監督だが、就任時に週刊ベースボールにチーム構想を語っている。

「長打力のある選手の状態がよければ、そういう選手を並べるかもしれませんが、逆にスピードのある選手が勝利に貢献できると判断すれば積極的に起用します。コーチと相談して選手の状態を見極めて、選手の特徴を生かして、どうしたら『得点』できるかを重点的にやっていきたい」

「昨年までのベイスターズは大砲を並べていたけれど、だからといって21年は攻撃のスタイルを180度変えることはないです。得点するために、犠牲バント、盗塁も選択肢の一つであるということです。自分の中で、一つの考えに固執しないよう柔軟にやっていきたいです。状態がよければ打線が固定されることもあるし、うまくいかなければ日替わりとなる可能性もある。固定観念にとらわれないという部分は、常に意識していきたいです」

 今季のチーム総得点はリーグ2位の559。さらなる得点力アップへ、起爆剤として大田にかかる期待は大きい。

写真=BBM
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