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リチャード、万波中正、太田椋…パ・リーグ6球団 来季の「覚醒」が期待される野手は?

 

今季は高卒5年目の広島坂倉将吾、同3年目の広島・小園海斗林晃汰、同2年目のオリックス紅林弘太郎、さらにプロ5年間で通算9本塁打だったオリックス・杉本裕太郎が31本塁打を放ちタイトルを奪取と能力が開花した野手が目立った。果たして、来季彼らのような“覚醒”が期待される野手は誰か? パ・リーグ6球団の飛躍が期待される野手をピックアップした。

福岡ソフトバンクホークス



 藤本博史監督の下、世代交代の行方が気になる新チーム。今季終盤、一軍デビューを飾り今後の足掛かりを築いた若き大砲・リチャードの“2年目”が楽しみだ。9月2日のプロ初出場からシーズン終了まで、2カ月で記録した本塁打は7本。逆転満塁弾などインパクト抜群な一発も放った。その一方で、試合数を超える三振数(34試合で38三振)、打率.181ではレギュラーには到底届かない。ベテラン・松田宣浩を上回るほどの“熱さ”を発揮できるか。そのためにもまずは来春、スタートが肝心だ。指揮官はオフシーズンの節制を課し、『体重118キロを0.1キロでも超えていたらキャンプB組スタート』とした。それはすなわち、競争からの出遅れを意味する。王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーと約束した『40発』という目標のためにも、リチャードの自覚が試される。

北海道日本ハムファイターズ



 次世代の若手主砲候補はチーム内に多数いるが、中でも来シーズン、一気に覚醒を期待したいのが高卒4年目を迎える万波中正だ。今季は二軍でリーグ3位の17本塁打、一軍でも6月13日のDeNA戦(札幌ドーム)でプロアーチを放つと、49試合に出場して5本塁打をマーク。チームに不足する長打力を発揮し、パワーの片鱗を見せた。抜群の身体能力で外野守備でも好プレーを披露。攻守走で存在感を見せたが、打率.198と確実性にはまだ難がある。「確実性が一番の課題だと思う。レギュラーを取るためには克服していかないといけない」と自身も強化点に挙げる。外野陣が一新されそうな来季は、全試合フル出場を目指し、定位置をつかみ取りたい。

オリックス・バファローズ


オリックス・太田椋


 定位置奪取に大きな期待が寄せられるのが太田椋だ。1学年下の紅林弘太郎が今季、ブレークして遊撃のレギュラーに。三塁には宗佑磨が固定され、空いている位置は二塁のみ。正二塁手には安達了一がいるものの潰瘍性大腸炎を患い、休養日を設けながらの出場とあって割って入る余地はある。現に日本シリーズでは第5、6戦で二塁スタメン。東京ドームでの第5戦では適時三塁打を放ち、ほっと神戸での第6戦は天然芝の中で無失策と攻守で役割を全う。高卒4年目のシーズンとなる2022年。ツボに入ったときの長打力は群を抜く。ボール球になる変化球の見極めなど安定感が向上させてレギュラーの座をつかみたい。

千葉ロッテマリーンズ



 右の長距離砲として中軸を担えるか。今季のオープン戦では四番に座り、開幕は五番スタメン。不振もあって二軍降格もあったが、9本塁打を放ってブレークの兆しを見せたのが山口航輝だ。打球飛距離は群を抜き、弾丸ライナーでスタンドに突き刺す豪快弾も披露。右方向へも一発を放てることも大きな魅力で、次代の和製大砲として寄せられる期待は大きい。いつまでも、レアードマーティンの両助っ人に頼っているわけにはいかない。打撃開眼で、スタメンに定着して打線に厚みを与えたい。

埼玉西武ライオンズ


西武・タイシンガー・ブランドン大河


 今季、42年ぶりの最下位に終わったがリーグ5位の521得点と打撃が振るわなかったのが、その要因の一つだった。得点力アップへ若手の成長が欠かせないが、1年目の今季、3本塁打を放ったブランドンに期待がかかる。東農大北海道オホーツクからドラフト6位で入団したブランドン。3月30日の日本ハム戦(札幌ドーム)でプロ初安打初打点初本塁打を記録した。一軍出場は32試合に終わったが、二軍では66試合に出場して打率.273、10本塁打、30打点をマーク。「攻守走すべてをおろそかにしたくないんです。自分の中で大きな目標。いつか絶対に達成したい。トリプルスリーを目指して頑張りたいです」と野望を胸に秘める。主戦場である三塁には中村剛也がいるが来季、大ベテランを脅かす働きをしてみせる。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 今季、一番・中堅として開幕戦に出場すると、1回裏に初球先頭打者本塁打を放った。打撃で進境を示し、一気にレギュラー定着を果たしたいところだったが、なかなか調子が上がらず、スタメンの座をほかの選手に明け渡すことも。自身初となる2ケタ10本塁打をマークしたが、打率.225は到底納得できる数字ではなかった。「守備でしか貢献できなかった。そろそろ打撃でチームを勝利に導かないと」。外野手として自身初のゴールデン・グラブ賞に輝いたが、課題のほうに目を向ける。来季こそはリードオフマンとして、チャンスメークにも力を注ぎたいところだ。

写真=BBM
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