キャプテン2年目を迎えるにあたり佐野恵太は心に決めていたことがあった。それは「行動に移すこと」だ。昨年は大事なカードの前にチームをまとめ切れずに後悔した。それを踏まえて「迷ったり、どうしようかと思ったときはまず行動してみたい」とシーズン前に語っていた。
今季、開幕から勝ち切れない試合が続く中で、佐野の動きは早かった。交流戦では選手、スタッフを集めてミーティングを開き、自らのスピーチでチームを鼓舞。「苦しい状況が続いていたけど、交流戦で景色がガラッと変わる」。この呼びかけどおりに、DeNAは交流戦で勝ち越しに成功。球団史上初の3位の好成績を納めた。しかし、佐野の思いとは裏腹に、チームは浮上のきっかけはつかめず、終わってみれば、6年ぶりの最下位でシーズンを終えた。
「CSの可能性が消滅して、優勝を争うチームとの試合は本当にきつかった。もうこんな思いはしたくない」
選手としてはプロ5年目にして初となる全試合出場を達成し、2年連続の首位打者こそ逃したが、打率.303はリーグ6位、165安打はリーグ2位と評価できる。シーズン途中から四番から配置展開された三番に座り、打線の中核を担った。それでも、個人の成績よりもチームが勝利しなければ満足できないのがチームリーダーだ。
「もっと打点を積み重ねたかった。今季の経験を必ず生かしたい」
背番号7は自身のバットでのリベンジを誓った。
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