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入団以来初の年俸ダウンの中日・京田陽太 打撃フォーム改造で「打球が変わった」の声が

 

春季キャンプで現監督が指導も……


今季は自己最低の打撃成績に終わった京田


 中日京田陽太が打撃フォーム改造に取り組んでいる。立浪和義監督、中村紀洋森野将彦両打撃コーチの指導を受け、バットのグリップを従来より低いベルト付近に置いた構えから、一気に頭上に上げて「大根切り」のようにバットを振り下ろす形に変化。スポーツ紙記者は「タイミングで差し込まれなくなり、打球が鋭くなりました。明らかに変わりましたね。この形を試合で発揮できるようにするために、これから自主トレ、来年2月の春季キャンプでフォーム固めしていくことになると思いますが楽しみです」と覚醒を期待する。

 遊撃の守備能力は申し分ない。広い守備範囲で球際に強く、安定感抜群の堅守を誇る。課題は打撃だ。新人の2017年に141試合出場で打率.264、4本塁打、36打点、23盗塁をマークしたが、18年以降はこの成績を超えられない。今季は113試合出場で打率.257、3本塁打、24打点、6盗塁。リードオフマンとして期待されたが、打撃の状態が上がらず5月下旬に入団以来初のファーム降格を経験した。105安打、6盗塁はいずれも自己ワースト。契約更改で初のダウンとなる300万円減の推定年俸6400万円でサインした。

 立浪監督は今年2月の春季キャンプで臨時コーチとして京田の指導に当たった。週刊ベースボールのコラムで、「彼の体の強さ、スイングスピード、足の速さなどを考えれば、常時2割8分くらいは打って当然だし、打たなければいけない立場の選手だと思っています」と奮起を期待した上で、打撃の課題を指摘している。

「京田選手のバッティングで、ずっと気になっていたのが、ボールを呼び込むときのタイミングの取り方です。特に手の動きですね。ボールが近付いてから一度、手を動かして、そこから引くという、いわゆる二度引きのような動きがあります。おそらくタイミングを取るためにいろいろ試しているうちに、クセになってしまった動きだと思います。ただ、これではどうしてもバットの出が遅くなりますので、その分、左打者の京田選手は右側の壁がつくれず体の開きも早くなりがちでした。アマチュアのピッチャー相手なら、これで特に問題はなかったと思いますが、プロの質の高いボールになると、差し込まれたり、外に逃げる変化球を追い掛けてしまったりして、泳がされることも多くなっていました」

二度引きが改善できずに


 二度引きを修正するために、身ぶり手ぶりで指導する立浪監督の姿が見られた。

「今回の指導の中で、京田選手も自分のスイングの悪いクセを把握し、直そうとしているのですが、これがなかなか難しい。そもそも、長年にわたって染みついたクセですから、キャンプの1日、2日ではなかなか修正できません。少し良くなったな、と思っても翌日になると戻っていたりする繰り返しです。私も1年中ずっとついていて指導するわけにはいきませんので、このキャンプ期間の中で少しでもいい方向に行くよう、最初も言いましたが、私自身も日々、試行錯誤をしながらやっています」

 修正に取り組んだが、「二度引き」は改善できずに今年も結果を残せなかった。だが、上位浮上に向けて京田の存在は不可欠だ。打撃力が格段に上がれば、攻守の要として球界を代表する選手になれる可能性を秘めている。大幅な打撃改造は覚悟の表れ。生まれ変わった打撃フォームでプロ6年目の来季は悔しさを晴らしたい。

写真=BBM
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