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ロッテ・中村奨吾 「当たり前のことを当たり前に」“勝てるチーム”から“勝つチーム”へ/チームリーダーの1年

 


 歓喜の秋を迎えるため、1試合も休むことなく全力で駆け抜けた。

 昨年12月。「彼のためにもなる」と井口資仁監督が今季から主将に指名したが、背番号8が意識したのは勝利の二文字だけ。主将である前に1人の選手だからこそ「成績が出ないとチームに貢献できない」と自らを鼓舞し続けた。選手としての成長を期す思いは、指揮官が言った“彼のため”の思いと一致。思いをプレーで体現し、開幕3戦目から三番に座り続けて3割近い打率をマーク、シーズン最終盤は二番に座り、犠打や四球のほか、広角に打ち分けチャンスメーカーにポイントゲッターと多彩な役割をまっとうした。

 安打が出なくても、チームが敗れても、常に口にし続けたことがある。

「当たり前のことを当たり前にする。それだけなんです」

 不動の二塁手として全試合に出続けた男は“当たり前”の先に、何があるのかも分かっていた。

「一人ひとりが役割を考え、チームとして束になって同じ方向に進んでいく。そうやって『勝てるチーム』となって『勝つチーム』になっていきたいんです」

 突出した選手はいない中で打線の潤滑油となり、ナインを一つに目指した悲願。2年連続でV逸となったが、チームは着実に成長している。リーグ2位の順位は『勝てるチーム』となった何よりの証し。そして来季は『勝つチーム』へ。V逸の悔しさを胸に来季も全力を尽くす。

写真=BBM
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