自身の代名詞である「奪三振」。そのイメージが完全に戻るシーズンとなった。プロ2年目の2014年から4年連続の200奪三振、最多奪三振のタイトルを5年連続で獲得した。17年には8試合連続2ケタ奪三振でプロ野球新記録を樹立している。
だが、以降は一転して苦しんだ。18年にはプロ1年目から6年連続2ケタ勝利に到達するも、10勝11敗と自身2度目の負け越し。慢性的な損傷が合ったとして、19年3月に右ヒジのクリーニング手術をすると、この年から2年連続で5勝止まりと勝ち星から見放されてしまった。
そんな厳しい状況の中から、昨季は見事な復活を果たした。20年最多勝の
涌井秀章、ベテランの
岸孝之、8年ぶり古巣復帰の
田中将大が思うように勝ち星を手にできない中で、生え抜きエースが奮闘。常に勝ち星先行をキープし、6月25日の
ソフトバンク戦(楽天生命パーク)では自身3年ぶり、通算30度目の完投勝利で6勝目をマークした。
そして節目の記録をマークしたのは、レギュラーシーズン最終戦となった10月27日の
ロッテ戦(楽天生命パーク)だった。初回に
マーティンを見逃し三振、2回に
安田尚憲を空振り三振、そして
岡大海を見逃し三振に斬って取る。昨季150奪三振目で節目の通算1500奪三振に到達。1448回2/3での到達は、右腕ではNPB史上最速の記録となった。
「ルーキーからやってこられて今がある」と喜びを語った右腕。エースにふさわしい雄姿を見せたシーズンだった。
写真=BBM