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偉業に挑む!? 最優秀防御率タイトル“3連覇”の中日。今季も輩出なら歴代何番目の記録となる?

 

2021年、最優秀防御率のタイトルを獲得した柳


 2021年のセ・リーグ最優秀防御率投手は、防御率2.20を記録した中日柳裕也だった。同タイトルは、中日の大野雄大が2019年、2020年と連続で獲得しており、これで中日の投手が3年連続獲得となる。もし、今季も中日の投手が最優秀防御率に輝けば4年連続だが、過去に「同じチームから4年連続」という例はあるのだろうか?

4年連続は過去になし


 結論から言うと、最優秀防御率のタイトルを「4年連続で獲得したチーム」は、2リーグ制となった1950年以降なし。実は今季の中日先発陣は、前人未踏の大記録への挑戦となるのだ。

 現在の中日と同じく、「最優秀防御率のタイトルを3年連続で獲得」したチームは過去に4度存在する。

●西鉄(1956年〜1958年)
1956年 稲尾和久 防御率1.06
1957年 稲尾和久 防御率1.37
1958年 稲尾和久 防御率1.42

日本ハム(1980年〜1982年)
1980年 木田勇  防御率2.28
1981年 岡部憲章 防御率2.70
1982年 高橋里志 防御率1.84

ロッテ(1995年〜1997年)
1995年 伊良部秀輝 防御率2.53
1996年 伊良部秀輝 防御率2.40
1997年 小宮山悟  防御率2.49

巨人(2016年〜2018年)
2016年 菅野智之 防御率2.01
2017年 菅野智之 防御率1.59
2018年 菅野智之 防御率2.14

驚異の成績で3年連続で最優秀防御率のタイトルを獲得した稲尾


 まずは西鉄。1956年から1958年にかけて稲尾和久が3年連続で最優秀防御率に輝いた。1956年の稲尾は高卒1年目だったが、61試合で21勝6敗、防御率1.06というとんでもない記録を達成。翌年も68試合で35勝6敗。防御率は1.37。1958年は72試合と登板数は増えたが、33勝10敗で防御率1.42と、現在ではありえない記録を残した。残念ながら1959年は南海の杉浦忠が防御率1.40で最優秀防御率に輝き、連続記録はストップした。

 1980年のパ・リーグは、日本ハムの木田勇が最優秀防御率のタイトルを獲得。翌1981年は5年目の岡部憲章が快進撃を見せ、再びリーグ最優秀防御率に輝く。さらに1982年は、前年に広島から加入した高橋里志が活躍し、3年連続で同タイトルを獲得することになった。西武東尾修が1983年の最優秀防御率投手となったため、連続記録はストップすることになった。

 3チーム目はロッテ。1995年に伊良部秀輝が最優秀防御率投手になると、翌1996年も再びエースとして2年連続で最優秀防御率のタイトルを獲得した。1997年は伊良部秀輝が退団するも、小宮山悟がキャリアハイの防御率2.49をマークし、ロッテは3年連続で最優秀防御率投手を輩出した。ロッテの連続記録を止めたのは日本ハムの金村暁で、1998年にリーグトップの防御率2.73をマークした。

菅野も2016年から3年連続で最優秀防御率を獲得


 2016年から2018年にかけては、巨人の菅野智之が3年連続で最優秀防御率のタイトルを獲得。同一投手が3年連続というのは、稲尾和久以来2人目という快挙だった。4年連続を目指した2019年は、腰痛の影響などで離脱が続き、規定投球回に届かず。中日の大野雄大が防御率2.58で最優秀防御率のタイトルに輝き、ここから現在まで3年連続で中日投手が同タイトルを獲得することになる。

 最優秀防御率のタイトルを4年連続で獲得したチームは過去になし。繰り返しになるが、今季の中日はいまだどのチームも達成していない偉業に挑むことになる。果たして大記録達成となるか、安定感抜群の投球で昨季の投手二冠・柳裕也など、中日先発陣の活躍を期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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