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日本ハム・上沢直之 自己最多12勝で完全復活。今季はさらにキャリアハイを/エースの1年

 


 エースの自覚十分のパフォーマンスと結果を残した。2021年は上沢直之が完全復活したシーズンとなった。自己最多の12勝を挙げ、防御率2.81も10年目でキャリア最高の数字。特にシーズン終盤の投球は、圧巻の内容が続いた。直球の力強さ、力みのないフォーム、クレバーな投球術。すべての良さが合致した無双のピッチングは、どんな打者も寄せ付けない貫禄すら漂った。

 野球人生を左右しかけた大ケガを、完全に乗り越えた。19年に打球が左ヒザに直撃し、膝蓋骨を骨折。一軍復帰まで約1年間を要しながら、昨季は8勝とよみがえった……はずだが、本人は「若干復活くらい」。完全復活は先発陣の大黒柱としてフル回転してこそとし、2年ぶり2度目の開幕投手を託された昨季は最後まで、頼もしいエースであり続けた。

 ただ、心残りがあった。「僕が胴上げできるタイミングでいられなかった」。12年入団の“同期”である栗山英樹監督が今季限りで退任。「自分が成績を残したときに優勝に貢献できなかったのは心残り」。感謝するからこそ、自分の心を締め付ける感情が沸き起こっていた。

 指揮官の退任セレモニーが行われた10月26日西武戦(札幌ドーム)は先発を任され、8回途中まで無失点の快投。「10年間の成長した姿を見せたかった」と、複雑な感情にも一区切りを付けた。新庄剛志新監督の下、今季もエースとしてチームを引っ張る。

写真=BBM
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