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新庄剛志監督の下で大ブレークの可能性秘めた「西川遥輝の後継者」とは

 

持ち味は球界屈指の俊足


2年目の今季、大きな飛躍が期待される五十幡


 日本ハム新庄剛志新監督が1月2日、自身のインスタグラムで「スタメン表」の画像を投稿し、大きな反響を呼んだ。

「ファンの方達記者が選ぶスタメンはこうなっておりますが!?さぁ、ここに選ばれてない選手。選ばれてる選手。どう思うのか」というメッセージと共に、スタメンオーダーを投稿。以下のラインアップだった。

 1(中)五十幡亮汰、2(右)近藤健介、3(一)清宮幸太郎、4(指)ヌニエス、5(三)野村佑希、6(二)アルカンタラ、7(左)今川優馬、8(捕)石川亮、9(遊)上川畑大悟 ▽先発・上沢直之

 開幕本番にどのようなオーダーが組まれるか。2月の春季キャンプ、オープン戦で熾烈な競争が繰り広げられるが、その中で打線のポイントになるのが、自由契約で楽天に移籍した西川遥輝に代わるリードオフマンだ。その最有力候補と目されるのが、上記のオーダーに「一番・中堅」で書き込まれた五十幡だ。

 持ち味は球界屈指の俊足だ。中3夏に全日本中学校陸上競技選手権大会の100メートル、200メートルの2冠に輝き、それぞれ3位、2位だったサニブラウン・ハキームを上回った。佐野日大高で甲子園出場はならなかったが、中大では1年春から外野のレギュラーで出場し、3年秋のリーグ戦では盗塁をすべて成功。自己最多の9盗塁でリーグ優勝に貢献した。打ってから一塁到達の平均タイムが3秒台後半ととにかく速い。ただ速いだけでなく、走塁技術も磨いてきた。

「足の速さが注目されますが、外野の守備で球際も強い。送球も正確で日本を代表する中堅になれる可能性を秘めた逸材です。打撃は発展途上ですが、パンチ力はあるので右中間、左中間を射抜いて二塁打、三塁打を量産できる。間違いなく戦力です」(スポーツ紙記者)

 2020年秋、日本ハムにドラフト2位で指名され、大学3年時に他界した母との約束でもある「プロ野球選手になる」という目標を叶える。1年目から即戦力として期待されたが、たび重なる故障で一軍定着できず、27試合出場で打率.225、1本塁打、5打点、9盗塁。6月に左ハムストリングを痛めて3カ月以上戦線離脱したのが響いた。不完全燃焼に終わったが、プロで生きる上での手応えもつかんだはずだ。5、6月に19試合出場して8盗塁をマーク。失敗はわずか1度と「一番・中堅」で攻守に躍動した。

刺激を受ける存在は牧


 新庄監督が就任し、横一線の競争になる。指揮官はスピードを重視しており、五十幡は大きなチャンスだ。秋季キャンプでは新庄監督に呼び止められ、走塁で助言を受ける場面が見られた。

 昨年は多くの新人が活躍し、「豊作の年」と言われた。五十幡にとって大きな刺激を受ける存在がいる。中大の1年からチームメートで共に試合に出場し、プライベートでも仲が良いDeNA牧秀悟だ。昨季、牧は開幕から打ち続け、シーズン終盤には四番に座った。新人で史上4人目の3割&20本塁打をマーク。打率.314は新人で歴代3位タイ、35二塁打は長嶋茂雄(現巨人終身名誉監督)を超えてセ・リーグ新人最多記録と大活躍だった。

 五十幡は入団会見で、「盗塁王は必ず、絶対獲りたい。足だけじゃなく走攻守で活躍できる選手になりたい」と語っている。勝負の2年目。新庄ファイターズのキーマンになりそうだ。

写真=BBM
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