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オリックス・山本由伸は大記録達成となるか?「沢村賞」の連続受賞は過去何人?

 

昨年、圧巻の成績を残して澤村賞に選出されたオリックス・山本


 2021年はオリックスの山本由伸が圧巻の投球でリーグを席巻。4つの投手タイトルを獲得し、沢村栄治賞(以下、沢村賞)にも選出された。もし今季も同じような活躍を見せて沢村賞に選ばれた場合は「2年連続」での選出となるが、過去に沢村賞を連続で受賞した選手は何人いるのだろうか?

連続沢村賞は過去5人しかいない


 沢村賞が制定されたのが1947年。以降、14選手が複数回受賞している。このうち、2年連続で沢村賞を獲得したのは以下の5人だ。

杉下茂(名古屋/1951年〜1952年)
金田正一(国鉄/1956年〜1958年)※3年連続
村山実(阪神/1965年〜1966年)
斎藤雅樹(巨人/1995年〜1996年)
菅野智之(巨人/2017年〜2018年)

 最初に沢村賞を連続受賞したのが、「フォークボールの神様」こと杉下茂。初の最多勝を獲得した1951年に1回目の受賞を果たし、翌1952年はタイトルの獲得こそなかったが、32勝を挙げて2年連続で沢村賞に選出された。杉下は1954年にも沢村賞に選ばれており、NPB初の沢村賞3回受賞者でもある。

 次が金田正一で、1956年から1958年にかけて沢村賞3年連続受賞という快挙を達成した。プロ1年目の1950年から活躍し、翌1951年にはノーヒットノーランを記録。1955年には29勝(20敗)という成績を残すなど好投を続けていたが、沢村賞初選出は1956年と受賞まで意外と時間を要している。

 1965年には阪神の村山実が自身2度目の沢村賞を獲得。この年は手首の骨折で出遅れるも最多勝・最多奪三振を記録している。翌1966年も勝利数と奪三振でリーグ最多をマーク。2年連続で沢村賞に選ばれ、「3度目」の獲得も杉下、金田に続く史上3人目の記録となった。

かつての巨人のエース・斎藤は1995、1996年と沢村賞を連続受賞


 1980年代後半から1990年代にかけて巨人のエースとして活躍した斎藤雅樹も、沢村賞を3度受賞した選手だ。1989年に初めて沢村賞に選出。それから6年後の1995年に再び沢村賞を獲得し、さらに翌1996年は自身3度目、2年連続で沢村賞投手となった。

菅野は平成最後の連続受賞


 2017年には巨人の菅野智之が完投、完封、勝利、防御率でリーグトップの数字を残し、沢村賞を獲得した。さらに翌2018年には前年の4項目に加え、リーグ最多投球回、最多奪三振も記録。平成最後の投手三冠王に輝き、2年連続での沢村賞選出となった(平成最後の沢村賞投手でもある)。

 1947年から長い歴史を誇る沢村賞だが、連続受賞はわずか5人。選出基準に満たない場合は「該当者なし」となるシーズンもあるなど、そもそも受賞すること自体が簡単ではない。それだけに、連続受賞は至難の業といえる。

 ちなみに、複数回受賞選手のうち、NPB所属の現役投手は田中将大(楽天)と菅野の2人。今季どちらかが受賞、またはダブル受賞となれば、杉下、金田、村山、斎藤に続く「3度受賞投手」となる。

「沢村賞の連続受賞投手」は過去5人。今季、この偉大な記録に挑戦する山本由伸は、果たして6人目となれるだろうか。昨季のような快刀乱麻の活躍を期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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