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プロ野球記録ノート

新庄剛志新監督の下、オールリリーフ史上最多登板を狙う日本ハム・宮西尚生【プロ野球記録ノート】

 

14年連続50試合以上登板


今季、15年目の宮西。昨季まで先発経験は1度もない


 キャンプも始まり、いよいよ2022年のプロ野球もスタートを切った。ビッグボスこと新庄剛志新監督の日本ハムは注目を浴びそうだ。日本ハムは若手が多いチーム構成。そんな中、今年15年目になる大ベテラン・宮西尚生投手がいる。宮西は関西学院大から2007年のドラフトで大学・社会人ドラフト3巡目の指名を受け日本ハムに入団。大学時代は先発での起用もあり、当時の選手名鑑では「先発ローテーション入りを目指す」と書いてあった。しかし宮西のプロ野球人生は先発とはまったく無縁のものだった。

 1年目の2008年、開幕一軍入りを果たし、開幕4戦目となった3月25日の西武戦(札幌ドーム)、9対1とリードした8回にプロ初登板。3人をきっちり抑えデビュー戦を飾った。この年はルーキーながら50試合に登板。左のワンポイントからセットアッパーとして後半の1イニングを任されるなど、チームには欠かせない存在となり、昨年まで14年連続で50登板以上の記録を持つ。これは中日岩瀬仁紀の15年連続に次ぐ記録で、今年50試合に登板すれば岩瀬の記録に並ぶ。

 宮西は1試合も先発したことがなく、現在784試合連続でリリーフ登板しているが、オールリリーフの登板数のトップ10は以下のとおり(所属は最終、S=セーブ、H=ホールド)。

1位 五十嵐亮太(ヤ)登板823 65勝39敗70S 163H
2位 宮西尚生(日)登板784 36勝34敗11S 373H
3位 藤田宗一(ソ)登板600 19勝21敗8S 77H
4位 益田直也(ロ)登板593 29勝41敗157S 145H
5位 武田久(日)登板534 31勝30敗167S 107H
6位 高橋聡文(神)登板532 26勝15敗2S 141H
7位 篠原貴行(デ)登板496 33勝19敗17S 61H
8位 木塚敦志(横)登板490 35勝25敗24S 88H
9位 清川栄治(広)登板438 13勝10敗12S
10位 森唯斗(ソ)登板435 21勝20敗121S 102H

 宮西は現在2位で、今年リリーフで40試合に登板すれば五十嵐亮太を抜くことになる。ちなみに五十嵐はメジャーでも83試合すべてリリーフ登板していて、これも含めると906試合になる。

歴代登板数は8位


 連続リリーフ登板記録が最初に話題になったのは、1997年の近鉄の清川栄治。4月11日に423試合連続リリーフ登板のタイ記録を達成し16日に記録を塗り替えた。ただ、それまでの記録保持者の巨人角三男は先発も経験しており、リリーフのみの記録ではなかった。清川以前のオールリリーフの最多登板は、広島の左腕・山本和男の193試合で、清川は広島時代の1990年にはこの記録をクリアしており(当時はほとんど話題にもならず)、1998年の広島で引退するまで438試合すべてリリーフという、当時としてはとてつもない記録を打ち立てていた。ところが投手の完全分業制が確立し23年間で8人に抜かれている。それだけプロ野球の投手の使い方が様変わりしているということだろう。

 1002試合登板の日本記録を持つ岩瀬は、2年目の2000年10月8日の広島戦(広島)に唯一の先発をしており(7回1失点で勝利投手)、オールリリーフ登板ではないものの、翌年から879試合連続でリリーフ登板している。

 宮西は歴代登板数でも8位の記録で、トップ10は以下のとおり。

1位 岩瀬仁紀(中日)登板1002
2位 米田哲也(近鉄)登板 949
3位 金田正一(巨人)登板 944
4位 梶本隆夫(阪神)登板 867
5位 小山正明(大洋)登板 856
6位 江夏豊(西武)登板 829
7位 五十嵐亮太(ヤクルト)登板 823
8位 宮西尚生(日本ハム)登板 784
9位 藤川球児(阪神)登板 782
10位 皆川睦雄(南海)登板 759

 ここでも40試合で五十嵐、46試合に登板すれば江夏豊も抜き歴代6位に上昇する。また宮西は通算373ホールド、409ホールドポイントともにすでに歴代1位。この記録も今季どこまで伸ばすか注目してみたい。

 新庄監督の下、先発させるという奇策も若干頭をよぎったりはするが……。

文=永山智浩 写真=BBM
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