週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

山本由伸? 千賀滉大? 過去3年で最も本塁打を打たれていないエースは誰?

 

 昨季の規定投球回到達投手で、最も被本塁打が少なかったのがオリックス山本由伸。1年を通してわずか7本、被本塁打率は0.32と圧巻の数字だった。では、過去3年で見た場合は何本の本塁打を打たれているのだろうか。また、他チームのエース級投手の被本塁打数や被本塁打率(9イニング投げて打たれる本塁打の平均)も気になるところだ。「エースの被弾数と被本塁打率」を調べてみた。

被本塁打率のトップは山本由伸


 12球団のエースをピックアップし、過去3年の被本塁打数と被本塁打率を調査。以下に、被本塁打率が低い順に並べてみた。

オリックス・山本由伸


●第1位 山本由伸(オリックス)
2019年 8本
2020年 6本
2021年 7本

通算被本塁打数:21本
投球回:463.1
被本塁打率:0.41

 トップは山本由伸だ。過去3年で463.1回を投げて被本塁打は21本、被本塁打率は0.41と驚異的な数字を残している。現役投手最高とされる抜群の安定感を武器に、今季はリーグ連覇を目指す。

●第2位 上沢直之(日本ハム)
2019年 5本
2020年 6本
2021年 8本

通算被本塁打数:19本
投球回:328.2
被本塁打率:0.52

 2位が日本ハムのエース・上沢だ。2019年は骨折でシーズンを棒に振ったこともあり、投球回は328.2回と少ないが、それでも一昨季は6本、昨季も8本と山本に匹敵する数字を残した。

●第3位 千賀滉大(ソフトバンク)
2019年 19本
2020年 4本
2021年 2本

通算被本塁打数:25本
投球回:386
被本塁打率:0.58

 3位はソフトバンクの千賀。「投手三冠王」に輝いた2020年の通算被本塁打はわずか4本。昨季はケガの影響で規定回に到達しなかったが、それでも84.2回を投げて2本しか打たれなかった。万全なら山本をしのぐ数字を残せるだろう。


●第4位 西勇輝(阪神)
2019年 12本
2020年 15本
2021年 12本

通算被本塁打数:39本
投球回:463.2
被本塁打率:0.76

 4位には阪神の西がランクイン。好不調の波が大きく、昨季も崩れるシーンが多かった。それでも被本塁打数は12本で、過去3年の被本塁打率も0.76とそこまで悪くない。

●第5位 大野雄大(中日)
2019年 18本
2020年 13本
2021年 12本

通算被本塁打数:43本
投球回:469.2
被本塁打率:0.82

 中日のエース・大野は被本塁打率0.82で5位。本塁打が出にくい本拠地ということもあるかもしれないが、これまでの投手生活で一度もシーズン被弾が20本を超えたことがない。安定感は抜群だ。

●第6位 大瀬良大地(広島)
2019年 22本
2020年 6本
2021年 12本

通算被本塁打数:40本
投球回:383.1
被本塁打率:0.94

 広島のエース・大瀬良は0.94で6位。リーグ最多被本塁打を2度記録するなど被弾の多い選手だが、昨季は10勝を挙げつつも12本しか打たれなかった。FA権を行使せずに残留した今季、チームをAクラスに導く活躍が期待される。

●同6位 今永昇太(DeNA)
2019年 18本
2020年 2本
2021年 16本

通算被本塁打数:36本
投球回:343
被本塁打率:0.94

 DeNAは、エースとしての活躍が期待されている今永をチョイスした。ここ2シーズンは不振だが、その中でも被本塁打数は意外と少なく36本。被本塁打率は大瀬良と並んでいる。果たして今季、確固たるエースがいないチーム状況を変えられるだろうか。


●第8位 高橋光成(西武)
2019年 13本
2020年 9本
2021年 23本

通算被本塁打数:45本
投球回:417.2
被本塁打率:0.97

 昨季は年間を通して先発ローテーションを維持し、11勝をマーク。名実共に西武のエースとなった。過去3年の通算被本塁打率は0.97だが、昨季も23本ともともと被本塁打数の多い投手。活躍の場面が多くなるにつれて被弾数も増えそうだ。

●第9位 菅野智之(巨人)
2019年 20本
2020年 8本
2021年 15本

通算被本塁打数:43本
投球回:389.1
被本塁打率:0.99

 巨人のエース・菅野は被本塁打率0.99で9位。昨季は115.2回と投球回は少なかったが、15本と被本塁打数は多かった。その影響が被本塁打率にも出ている。チームの巻き返しのためにも、菅野の復活が求められる。

●第10位 則本昂大(楽天)
2019年 7本
2020年 13本
2021年 18本

通算被本塁打数:38本
投球回:321.2
被本塁打率:1.06

 10位は楽天の則本。ここから被本塁打率は1.00を超えてくる。昨季は2018年以来となる2ケタ勝利を記録したが、それでも本来の実力を考えると物足りない数字。今季は完全復活が期待される。

●第11位 二木康太(ロッテ)
2019年 16本
2020年 7本
2021年 24本

通算被本塁打数:47本
投球回:338.1
被本塁打率:1.25

 確固たるエースが不在のロッテは二木康太をチョイスした。一昨季は9勝をマークも、昨季は不振で5勝7敗。被弾数も24本と大幅に悪化した。その影響か、被本塁打率も1.25と今回ピックアップした投手ではブービーの数字だ。


●第12位 小川泰弘(ヤクルト)
2019年 26本
2020年 20本
2021年 15本

通算被本塁打数:61本
投球回:407
被本塁打率:1.35

 残念ながら最下位はライアンこと小川泰弘。一昨季は10勝、昨季も9勝でチームのリーグ優勝、日本一に貢献した。しかし、被本塁打数も多く、2019年と2020年はリーグ最多。一発をもらう機会が減れば、白星をさらに伸ばすことができるだろう。

 ピックアップした選手以外では、昨季の最多勝・最高勝率投手となった阪神・青柳晃洋が被本塁打率0.62(過去3年の被本塁打数32本)と、エースの西を超える数字をマーク。最優秀防御率の中日・柳裕也も、被本塁打率0.88(過去3年の被本塁打数42本)で大野に匹敵する成績だ。

 今回は除外したが、今季で3年目を迎える若手投手では、広島の時期エース・森下暢仁が通算被本塁打率が0.69(過去2年の被本塁打22本)。オリックスの宮城大弥に至っては、なんと、通算被本塁打率0.49(過去2年の被本塁打9本)と、素晴らしい成績を残している。

 山本や上沢、千賀といった、被本塁打数、被本塁打率が少ない投手は、今季どのようなピッチングを見せてくれるのだろうか。開幕はまだ先だが、今から楽しみに待ちたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング