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宮崎敏郎、吉田正尚、荻野貴司…通算三振率が秀でている主力打者は?

 

 優秀な打者は三振も少ないものだ。例えば、歴代最多の868本塁打を記録した王貞治は、生涯で1万1866打席に立ちながらも、三振は1319回しかなかった。では、打線の上位や中軸を任される現役選手のうち、最も三振していないのは誰なのだろうか?

現役トップはDeNAが誇るアベレージヒッター


三振率が.086と吉田、荻野を上回った宮崎


 今回は、各チームの主力(2022年度所属)のうち、昨季の打率、本塁打、打点の3タイトルで上位に食い込んだ「打撃が優秀な選手」をピックアップ。それぞれの通算三振と三振率(三振数÷打席数)を調べ、三振率が少ない順にTop10をまとめてみた。

第1位 宮崎敏郎(DeNA)三振率:.086(3184打席/274三振)
第2位 吉田正尚(オリックス)三振率:.0966(2681打席/259三振)
第3位 荻野貴司(ロッテ)三振率:.0973(3780打席/368三振)
第4位 鈴木大地(楽天)三振率:.108(5402打席/584三振)
第5位 大島洋平(中日)三振率:.115(6743打席/776三振)
第6位 島内宏明(楽天)三振率:.121(3830打席/463三振)
第7位 糸原健斗(阪神)三振率:.123(2134打席/263三振)
第8位 ビシエド(中日)三振率:.124(3002打席/373三振)
第9位 近本光司(阪神)三振率:.129(1771打席/229三振)
第10位 佐野恵太(DeNA)三振率:.140(1435打席/201三振)

 最も三振していないのはDeNAの宮崎敏郎で三振率は.086。10打席に1度三振するかしないかという驚異の数字だ。昨オフにはFA権を行使せずに6年の長期契約を締結。今年の抜群のバットコントロールを武器に活躍してくれるはずだ。

 2位はオリックス打線の大黒柱・吉田正尚。宮崎には惜しくも及ばなかったが、三振率は.097とこちらも驚異的な数字だ。2020年は29三振、2021年は26三振と、この2年は三振数は少ない。宮崎以上の「三振しない打者」になるためにも、このペースを維持したい。

 さらにすごいのは、宮崎も吉田も「本塁打も打てる打者」という点だ。ただバットコントロールに優れているだけでなく、シーズン20本以上を打てるパワーも兼ね備えている。相手バッテリーからすると、これほど恐ろしい打者はいないだろう。

 吉田とはわずか0.0007差で3位なのがロッテの荻野貴司だ。昨季は自身初の全試合出場を果たし、最多安打と最多盗塁のタイトルも獲得。チームの優勝のために、今季も引き続きリードオフマンとして活躍が期待される。

 4位は楽天の鈴木大地。ここまで5000打席以上に立ちながらも三振率は.108と上位3人とはわずかの差しかない。さらにすごいのが5位の大島洋平。こちらはTop10では最多の6743打席だが、わずか776三振しかしていない。三振率も.115と非常に優秀だ。6位の島内宏明は昨季のリーグ打点王。打撃力だけでなく、高い選球眼も持ち合わせており、三振が少ないバッターだ。

 7位には阪神の糸原健斗がランクイン。9位の近本光司との一、二番コンビは他チームとって驚異だろう。8位は中日のビシエド。現役助っ人では唯一のランクインとなる。「助っ人=三振が多い」というイメージが強いが、ビシエドはシュアなバッティングが持ち味で、これまで何度もチームを救ってきた。10位はDeNAの佐野恵太。2020年は首位打者、昨季は2年連続とはいかなかったが、それでも打率.303と優秀な数字を残している。

最も堅実なバッティングをする四番打者は?


パワーとバットコントロールに秀でている鈴木。メジャーでの活躍も楽しみだ


 ちなみに、昨季「四番」を主に任された選手の三振率は以下のとおり。
※三振率が低い順

ビシエド(中日)三振率:.124(3002打席/373三振)
近藤健介(日本ハム)三振率:.145(3594打席/522三振)
鈴木誠也(広島)三振率:.160(3539打席/569三振)※現在ポスティング中
栗原陵矢(ソフトバンク)三振率:.169(1153打席/195三振)
大山悠輔(阪神)三振率:.174(2169打席/378三振)
浅村栄斗(楽天)三振率:.176(6403打席/1,125三振)
岡本和真(巨人)三振率:.191(2412打席/461三振)
レアード(ロッテ)三振率:.224(3473打席/781三振)
杉本裕太郎(オリックス)三振率:.238(768席/183三振)
村上宗隆(ヤクルト)三振率:.251(1737打席/437三振)
オースティン(DeNA)三振率:.254(708打席/180三振)
中村剛也(西武)三振率:.260(7344打席1914三振)

 上位3人を見てみると、最も優秀だったのは先のランキングにも入っていたビシエド。次いで日本ハムの近藤健介、3位に広島からポスティングでのメジャー移籍を目指している鈴木誠也という順になった。特に昨季の鈴木は、首位打者と最高出塁率のタイトルを獲得した上に、本塁打王のヤクルト・村上、巨人・岡本と1本差の38本塁打をマーク。パワーとバットコントロールの両方に秀でた、現役トップレベルのバッターだ。メジャーでどこまで通用するのか楽しみにしている人も多いだろう。

 これまでの通算打席、三振数を基に、「最も三振していない主力選手」を調べてみた。宮崎が吉田をしのいでトップというのは意外だったのではないだろうか。今季は、ぜひランキング上位に入った選手の見事なバットコントロールに注目してもらいたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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