週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

万波中正、上原健太、五十幡亮汰…日本ハム新庄政権で「大ブレークの可能性」秘めた選手は

 

選手に指示を送る新庄監督


 新庄剛志新監督が就任し、注目度は12球団で最も高い日本ハム。その顔ぶれを見ると、文字どおり横一線の競争だ。先発ローテーションで計算できると言えるのはエース・上沢直之、昨季1年目で2ケタ勝利をマークした伊藤大海ぐらい。野手陣も昨年のシーズン途中に中田翔巨人にトレード移籍し、オフに西川遥輝大田泰示が退団した。レギュラーが確定しているのは、侍ジャパンで東京五輪の金メダル獲得に貢献した近藤健介のみだろう。3年連続Bクラスからの上位浮上に向け、若手たちの奮起は不可欠だ。今回は新庄政権で「大ブレークの可能性」を秘めた選手たちに注目したい。

球界を代表する大型外野手に


攻守に高い潜在能力を秘める万波


万波中正
昨季成績49試合出場、打率.198、5本塁打、13打点、0盗塁
通算成績51試合出場、打率.192、5本塁打、13打点、0盗塁

 スイングスピードが速く、外野からの強肩も球界屈指のレベルを誇る。新庄監督の好きなタイプの選手と言えるだろう。昨季はファームで65試合出場し、打率.280、17本塁打、46打点。一軍でも6月13日のDeNA戦(札幌ドーム)で、好投手の今永昇太からプロアーチを放つなど5本塁打をマークしてパワーの片鱗を見せた。

 万波は昨季、週刊ベースボールのインタビューで、「今年はこれまでの先輩たちに加えて、今川(優馬)さん、五十幡(亮汰)さんも入団されて、外野のポジション争いが厳しいです。レギュラーになるのは、本当に簡単じゃないなと思います。でも、すべては自分次第。(打率)3割打って、30本打てば、ほかの人がどうであれポジションは取れるはずです。実力をつけて、レギュラーを取りたいです」と闘志を燃やしている。確実性を身につければ、外野のレギュラーをつかみ取るだけでなく、球界を代表する大型外野手になれるだろう。

「二刀流」挑戦で大飛躍を


今季は打者にも挑戦する上原


上原健太
昨季成績11試合登板、0勝0敗、防御率3.97
通算成績51試合登板、7勝11敗1ホールド、防御率4.77

 プロ入り7年目の今季から新たな挑戦を決断した。投手だけでなく、野手としても出場機会を狙う「二刀流」。身体能力の高さは入団時から一目置かれていた。俊足で瞬発系のテストではチーム内でトップレベルだった。身長191センチの長身左腕は最速152キロの直球と多彩な変化球を武器に将来のエースと嘱望されたが、好不調の波が激しく故障もあり伸び悩んでいる。「二刀流」に挑戦して自身の殻を破るきっかけにしたい。

 春季キャンプは二軍(BOSS組)スタートだったが、初日にブルペンで投球した際に新庄監督に助言を送られるなど期待度は高い。2018年6月18日の広島戦(マツダ広島)では5回3安打1失点と好投し、打っても5回に福井優也(現楽天)のフォークを振り抜き、弾丸ライナーで右翼席に運ぶプロ初安打プロアーチ。地元凱旋に衝撃の一打で球場をどよめかせた。今季は二刀流で躍動する姿を見たい。

北の新スピードスターへ


快足が武器の2年目・五十幡


五十幡亮汰
昨季成績27試合出場、打率.225、1本塁打、5打点、9盗塁
通算成績27試合出場、打率.225、1本塁打、5打点、9盗塁

 一塁到達の平均タイムが3秒台後半の俊足が武器で、肩も強い。走塁と守備を重視する新庄野球にピタリとはまる存在だ。1年目の昨季はたび重なる故障で本来の力を発揮できなかったが、5、6月に19試合出場して8盗塁をマーク。失敗はわずか1度と「一番・中堅」で攻守に躍動した。

 今年の春季キャンプでは臨時コーチの赤星憲広氏に盗塁の技術や考え方を伝授された。新庄政権初の対外試合となった2月8日の阪神戦(宜野座)では「四番・遊撃」でスタメン出場。本職以外の守備位置を経験させる指揮官の方針で不慣れな遊撃を守ったが、3回に近本光司のライナーを好捕し、4回には正面のゴロを堅実に処理した。打撃でも5回二死一塁で迎えた第3打席に右前打でチャンスを拡大。追加点のおぜん立てをした。中大の同期のDeNA・牧秀悟は新人で史上4人目の打率3割&20本塁打をマークしている。今年は負けられない。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング