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坂本勇人は90.3打席に1度の割合…現役で最も「併殺打が少ない選手」は誰?

 

昨季まで8220打席に立ち併殺打は91を数える坂本


 昨季、パ・リーグの首位打者になった吉田正尚は、シーズン併殺打が9回。一昨季も6回と併殺打は少なく、通算では2,681打席で51回。併殺打の割合は「74打席に1回」となる。非常に優秀な数字だが、現役で吉田以上に併殺打が少ない選手は誰だろうか? 「現役で最も併殺打が少ない選手」を調べてみた。

最も併殺打が少ないのは西川遥輝


 今回は、「通算2000打席以上の現役選手」を対象に、打席に占める併殺打の割合を調査。割合が少ない順に、上位10人をまとめてみた。

第1位 西川遥輝(楽天)193.2打席に1度(5218打席/27併殺打)
第2位 大島洋平(中日)146.6打席に1度(6743打席/46併殺打)
第3位 田中広輔(広島)126.6打席に1度(3925打席/31併殺打)
第4位 中島卓也(日本ハム)114.9打席に1度(3449打席/30併殺打)
第5位 明石健志(ソフトバンク)98.6打席に1度(2859打席/29併殺打)
第6位 荻野貴司(ロッテ)96.9打席に1度(3780打席/39併殺打)
第7位 源田壮亮(西武)92.3打席に1度(2956打席/32併殺打)
第8位 坂本勇人(巨人)90.3打席に1度(8220打席/91併殺打)
第9位 中村晃(ソフトバンク)89.6打席に1度(4751打席/53併殺打)
第10位 森友哉(西武)89.1打席に1度(3210打席/36併殺打)

今季から楽天に移籍した西川は2016年に規定打席に達しながらも併殺打0をマーク


 2000打席以上の現役選手で、最も併殺打が少ないのは楽天の西川遥輝。193.2打席に1度と驚異的な少なさだ。西川は2016年には現役選手で唯一となる規定打席に到達して「シーズン併殺打0」を記録。さらには2014年から2016年にかけて「3年連続で1併殺打以下」という、NPBで西川のみという大記録を達成しているほどだ。

 西川には及ばなかったが、2位の大島も146.6打席に1度と併殺打が少ない選手。シーズン最多併殺打は7回で、キャリア12年で2ケタに達したことは一度もない。3位の田中広輔も同じくシーズン2ケタ併殺打を記録したことはなく、一昨季は454打席で併殺打1、昨季は規定打席未満の160打席だったものの、併殺打は0回だった。

 4位は日本ハムの中島卓也。ここ2シーズンは出場機会が減っているものの、併殺打の数は2020年1回、2021年0回と少ない選手だ。5位の明石健志は規定打席に到達したシーズンは少ないが、それでも実働16年で併殺打はわずか29回しかない。

 6位には荻野貴司(最多安打、盗塁王)、7位は源田壮亮(盗塁王)と、昨季のパ・リーグタイトルホルダー2人がランクインした。荻野は自身初の全試合出場となった昨季、643打席に立ちながら併殺打はわずか5回。源田はキャリア5年で3度の全試合出場を果たしているが、それでもここまで32回しか併殺打を記録していない。

 8位は巨人の坂本。通算併殺打は91とTop10に入った選手では最多。しかし、そもそも打席数が8220とズバ抜けている中でこの数字なのだから、さすがとしか言いようがない。9位の中村晃もキャリア10年で4751打席に立ちながらも、併殺打は53回。10位の森も鋭いスイングが武器だが、バットコントロール技術も高く、併殺打を打つことは少ない。Top10の選手全員に言えることだが、やはりバットコントロール技術の高い選手は併殺打も少なくなるようだ。

現役本塁打王で最も併殺打が少ないのは?


本塁打王の中で併殺の割合が最も低いのは山川だ


 併殺打の少ない選手は一番や二番を担う、バットコントロールや走力に長けた選手が多い。一方、本塁打を量産するようなパワータイプの打者は併殺打が多くなる傾向にある。では、「現役の本塁打王獲得選手」の中では、誰が最も併殺打が少ないのだろうか?

 現役本塁打王10人の併殺打の数と併殺打の割合を調べたところ、併殺打の割合が低い順に以下のようになった。

第1位 山川穂高(西武)65.9打席に1回(2573打席/39併殺打)
第2位 村上宗隆(ヤクルト)59.9打席に1回(1737打席/29併殺打)
第3位 山田哲人(ヤクルト)54.5打席に1回(5233打席/96併殺打)
第4位 T-岡田(オリックス)49.7打席に1回(5072打席/102併殺打)
第5位 中村剛也(西武)45.6打席に1回(7344打席/161併殺打)
第6位 岡本和真(巨人)42.3打席に1回(2412打席/57併殺打)
第7位 浅村栄斗(楽天)41.8打席に1回(6403打席/153併殺打)
第8位 杉本裕太郎(オリックス)34.9打席に1回(768打席/22併殺打)
第9位 レアード(ロッテ)34.7打席に1回(3473打席/100併殺打)
第10位 デスパイネ(ソフトバンク)34.4打席に1回(3099打席/90併殺打)

 現役本塁打王で、最も併殺打が少ないのは西武の山川。次いでヤクルトの村上、山田という順だ。一方、ブービーと最下位はレアード、デスパイネの助っ人2人。実は現役の通算2000打席以上選手全体でも、この2人は下位で、レアードは71人中67位、デスパイネは68位となっている。

 ちなみに通算2000打席以上の現役選手で最下位なのは、中日のダヤン・ビシエド。ここまで3002打席に立って101併殺打。29.7打席に1回のペースで併殺打が出ている計算になる。勝負強いバッティングを武器に、首位打者、最多安打のタイトルも獲得したビシエドだが、過去にシーズン最多併殺打を2度記録するなど、併殺打は意外と多い。

 現役で最も「併殺打をしない選手」は楽天の西川という結果になった。今季は日本ハムから楽天に移籍。武器である抜群の選球眼とバットコントロール、高い走力を発揮し、自身2度目のシーズン併殺打0をマークできるか。新天地での活躍を期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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