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C小園海斗、D京田陽太、T中野拓夢…セ・リーグ6球団 「ショート争い」の現状は?

 

ダイヤモンドの華であるショート。野手の中では最も高い身体能力を求められると言っても過言ではなく、内野の要となるポジションだ。キャンプも中盤に達するが、果たしてセ・リーグ6球団の「ショート争い」の現状は?

広島東洋カープ



 昨季の活躍をまぐれだとは言わせない。3年目にして初めて“チームの戦力”となった小園海斗。遊撃出場113試合は、すべてスタメン起用だった。打つほうでは自身初の規定打席に到達し、打率.298をマーク。だが、決してレギュラーという自負はない。「しっかりとアピールしないといけない立場」と受け止めている。オフには昨季の日本一・ヤクルトの面々と合同自主トレを行い、キャンプでは初日からガンガンアピール。グラウンドを駆け回る姿に、今季への意気込みを強く感じる。2月3日に侍ジャパンの栗山英樹監督が広島キャンプを視察に訪れた際には、「(遊撃は)守りが重要と言われるポジションで、なおかつ攻撃力もある選手はなかなか出てこない。そういう素材は日本の球界にとって宝物」と高評価を受けた。チームで不動の地位をつかみ、侍ジャパンへの足掛かりとする。

読売ジャイアンツ



 チームで、いや12球団を見渡しても不動のポジションのひとつだろう。キャプテンの坂本勇人が君臨する巨人の遊撃だ。昨年は骨折による離脱もあり納得のいく成績は残せず、何よりキャプテンとして日本一はおろかチームを優勝へ導くことができなかった。33歳とベテランの域に入りつつあるが、「遊撃を守ってこそ」の思いは変わらないからこそ、オフからキャンプにかけては体幹を中心にフィジカルを徹底的に見直した。その上で、バットでチームをけん引する覚悟だ。「打率2割7、8、9分、20本塁打弱くらいじゃ、『よくなかったね』と言われちゃうんで」。MVPを口にするのは「優勝チームでもっとも活躍した選手」に与えられる栄誉だから。逆襲を誓う背番号6の2022年から目が離せない。

中日ドラゴンズ



 注目の立浪ドラゴンズ、守備の要の遊撃手は京田陽太で決まりだ。一年前は根尾昂というライバルがいたが、今季は外野手に専念することが決まっている。堂上直倫三ツ俣大樹土田龍空とライバルはいるが、京田の力が攻守で抜きん出ているのは間違いない。キャンプでは第3クールで腰の張りを訴え、予定していた紅白戦も欠場するなど別メニューの調整が続いているが、問題はなさそう。中村紀洋打撃コーチの指導もあり、打撃フォームを大きく変えた。選手会長3年目、今季はすべてにおいてキャリアハイの数字を残してチームを優勝に導くつもりだ。

阪神タイガース



 矢野耀大監督が「レギュラーは近本(光司)だけ」と明言しているが、昨季の実績から考えると盗塁王を獲得した中野拓夢が遊撃手として開幕スタメンが有力だろう。しかし現状、下肢のコンディション不良のため二軍でキャンプイン。しかも別メニューで調整中だ。打撃に関してはフリー打撃が行えるまでに状態は上がっている。守備に関しては正面のゴロを捕球しており、左右の動きに関してはこれからだ。矢野監督は「無理させることはない。やれることを、しっかりやってくれたらいい」と話し、3月に合流してくれたらという考えだという。計画的に強度を上げていきながら、開幕を見据えていくつもりだ。

横浜DeNAベイスターズ



 遊撃のレギュラー候補は何人もいるが、それぞれが決め手に欠け、近年はポジションを固定できずにチームの課題の一つとして残る。昨季チーム最多の80試合に出場した大和は、1月末に新型コロナウイルスに感染したためにキャンプインが遅れた。自主隔離期間で体重は5キロ落ち、現在は二軍キャンプに合流したものの調子を取り戻すには時間がかかりそうだ。現状のレギュラー候補は柴田竜拓が最有力。昨季はケガで満足のいくシーズンを送れなかっただけに今季に懸ける思いは強い。3年目の伸び盛り、森敬斗もレギュラーの座を虎視眈々と狙う。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・西浦直亨


 西浦直亨と元山飛優、この2人を中心としたレギュラー争いになりそうだ。昨季、ショートでの出場は、西浦が82試合、元山が77試合。ともに正遊撃手の座を不動のものとすることはできなかった。ただ、キャンプイン直前に元山が新型コロナウイルスに感染し、2月9日にようやく二軍キャンプに合流したばかりということもあり、現状では西浦が一歩リードか。一軍キャンプでは、吉田大成武岡龍世長岡秀樹の若手3選手がアピール中。打撃で頭一つ抜けた成績を残せば、一気にそのポジションを奪う可能性もある。

写真=BBM
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