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巨人? ソフトバンク? タイトルホルダーが最も多いチームはどこ?

 

 昨季のパ・リーグは、山本由伸が投手タイトル4冠に輝き、打撃タイトルでは吉田正尚が2冠を獲得。さらに杉本裕太郎も本塁打王になるなど、オリックスの選手の活躍が目立った。オリックスにはほかにも本塁打王になったことのあるT-岡田、投手タイトル獲得経験のある増井浩俊平野佳寿といったタイトルホルダーが多く在籍している。では、打撃部門、投手部門のタイトルホルダーが最も多いチームはどこなのだろうか?

最多はソフトバンクの10人


ソフトバンクは柳田ら10人がタイトルを獲得している


 今回は、各球団の「投打のいずれかのタイトルを獲得した選手」を調べ、その人数が多い順にまとめてみた。

●第1位 ソフトバンク…10人(野手4人、投手6人)
柳田悠岐(首位打者、最高出塁率、最多安打)
中村晃(最多安打)
周東佑京(最多盗塁)
デスパイネ(最多本塁打、最多打点)
東浜巨(最多勝)
和田毅(最多勝、最高勝率)
モイネロ(最優秀中継ぎ)
森唯斗(最多セーブ)
千賀滉大(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率)
石川柊太(最多勝、最高勝率)

 12球団トップはソフトバンクで10人。特に投手が6人と多く、先発、中継ぎ、抑えとそれぞれに強力な選手を擁している。リチャードなど有望な若手も多く、今季ここに新たなタイトルホルダーが加わる可能性も高い。

●第2位 ヤクルト…9人(野手6人、投手3人)
山田哲人(最多本塁打、最高出塁率、最多安打、最多盗塁)
川端慎吾(首位打者、最多安打)
内川聖一(首位打者、最多安打、最高出塁率)
青木宣親(首位打者、最多安打、最高出塁率、最多盗塁)
坂口智隆(最多安打)
村上宗隆(最多本塁打、最高出塁率)
清水昇(最優秀中継ぎ)
小川泰弘(最多勝、最高勝率)
石川雅規(最優秀防御率)

 昨季の日本一チーム、ヤクルトは9人。トリプルスリー男の山田哲人、若手No.1スラッガーと称される村上宗隆の存在が大きい。一方、青木や石川といったベテランタイトルホルダーもチームに欠かせない。

●第3位 巨人…8人(野手6人、投手2人)
中島宏之(最多安打、最高出塁率)
丸佳浩(最多安打、最高出塁率、最多盗塁)
坂本勇人(首位打者、最多安打、最高出塁率)
中田翔(最多打点)
梶谷隆幸(最多盗塁)
岡本和真(最多本塁打、最多打点)
山口俊(最多勝、最多奪三振、最高勝率)
菅野智之(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率)

 巨人は8人だが、このうち生え抜きは坂本、岡本、菅野の3人しかいない。日本一奪還のためには、タイトルを獲得するような生え抜き選手の育成が必須といえる。

●同3位 オリックス…8人(野手3人、投手5人)
吉田正尚(首位打者、最高出塁率)
T-岡田(最多本塁打)
杉本裕太郎(最多本塁打)
平野佳寿(最多セーブ、最優秀中継ぎ)
増井浩俊(最優秀中継ぎ)
能見篤史(最多奪三振)
山岡泰輔(最高勝率)
山本由伸(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率)

 昨季のパ・リーグ覇者オリックスのタイトルホルダーは8人。吉田、杉本の打撃の軸2人に、投手4タイトルに輝いた山本由伸と、投打にスキのない布陣だ。若い世代の勢いも強く、連覇も十分に狙えるだろう。

今季から楽天には盗塁王を獲得したことのある西川が加入した


●同3位 楽天…8人(野手3人、投手5人)
浅村栄斗(最多本塁打、最多打点)
西川遥輝(最多盗塁)
島内宏明(最多打点)
松井裕樹(最多セーブ)
岸孝之(最優秀防御率、最高勝率)
則本昂大(最多奪三振)
涌井秀章(最多勝)
田中将大(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率)

 楽天は8人だが、生え抜きは島内、松井、則本、田中と半数となっている。積極的に補強を行い戦力アップさせてきた楽天だが、より上位を目指すには、巨人と同様に生え抜きタイトルホルダーの育成が課題だ。

●同3位 西武…8人(野手6人、投手2人)
栗山巧(最多安打)
山川穂高(最多本塁打)
源田壮亮(最多盗塁)
金子侑司(最多盗塁)
森友哉(首位打者)
中村剛也(最多本塁打、最多打点)
増田達至(最多セーブ、最優秀中継ぎ)
内海哲也(最多勝、最多奪三振)

 昨季、最下位に沈んだ西武も8人とタイトルホルダーは多い。しかし、若手といえるのは森ぐらいで、あとは中堅、ベテランばかり。上位進出のためにも、若手の新戦力台頭が求められる。

●同3位 中日…8人(野手3人、投手5人)
大島洋平(最多安打、最多盗塁)
福留孝介(首位打者、最高出塁率)
ビシエド(首位打者、最多安打)
岩嵜翔(最優秀中継ぎ)
柳裕也(最優秀防御率、最多奪三振)
大野雄大(最優秀防御率、最多奪三振)
祖父江大輔(最優秀中継ぎ)
福敬登(最優秀中継ぎ)

 中日もタイトルホルダーは8人いるが、そのうち5人が投手。一方、打撃タイトルは3人で、いずれも中堅やベテランばかりだ。Aクラス入りを果たすには、タイトルを獲得するような勢いのある若手野手の登場が求められる。

最も少ないのはDeNAで4人……


 次に、第8位から12位までを紹介する。

●第8位 広島…7人(野手3人、投手4人)
田中広輔(最多盗塁、最高出塁率)
長野久義(首位打者、最多安打)
菊池涼介(最多安打)
九里亜蓮(最多勝利)
大瀬良大地(最多勝利、最高勝率)
野村祐輔(最多勝利、最高勝率)
薮田和樹(最高勝率)

 8位は広島でタイトルホルダーは7人。FA権を行使せずに残留した大瀬良、九里など、投手のほうがタイトルホルダーは多い。とはいえ、いずれも中堅やベテランばかり。昨季ブレークした栗林良吏など、今季は若手のさらなる成長に期待したい。

昨季は青柳ら3人がタイトルを獲得した阪神


●第9位 阪神…6人(野手3人、投手3人)
近本光司(最多安打、最多盗塁)
糸井嘉男(首位打者、最多盗塁、最高出塁率)
中野拓夢(最多盗塁)
チェン・ウェイン(最優秀防御率)
藤浪晋太郎(最多奪三振)
青柳晃洋(最多勝、最高勝率)

 2年連続リーグ2位とあと一歩の展開が続く阪神。昨季は近本が最多安打、中野が最多盗塁、青柳が投手2冠と活躍したが、やはり課題は長打力。今季は主砲の大山悠輔、2年目の佐藤輝明のバッティングに注目だ。

●同9位 ロッテ…6人(野手4人、投手2人)
荻野貴司(最多安打、最多盗塁)
角中勝也(首位打者、最多安打)
レアード(最多本塁打)
和田康士朗(最多盗塁)
石川歩(最優秀防御率)
益田直也(最多セーブ)

 ロッテはタイトルホルダーが6人。昨季は荻野貴司、和田康士朗が野手タイトルを獲得し、益田直也が2013年以来となるセーブ王に輝いた。ロッテも阪神と同じく2年連続リーグ2位。リーグを制するには新たなタイトルホルダーの誕生が必要だろう。

●第11位 日本ハム…5人(野手2人、投手3人)
近藤健介(最高出塁率)
中島卓也(最多盗塁)
金子千尋(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振)
宮西尚生(最優秀中継ぎ)
堀瑞輝(最優秀中継ぎ)

 昨シーズン、主力がごっそりと抜けた日本ハム。タイトルホルダーは5人と少なくなってしまった。とはいえ、若手の堀瑞輝が最優秀中継ぎに輝くなどうれしい要素もある。新庄剛志ビッグボスの下、チームがどのように変わるのか注目したい。

●第12位 DeNA…4人(野手3人、投手1人)
佐野恵太(首位打者)
宮崎敏郎(首位打者)
ソト(最多本塁打、最多打点)
山崎康晃(最多セーブ)

 12球団で最もタイトルホルダーが少ないのがDeNAだ。打撃陣は佐野、宮崎、ソトと不動のレギュラー陣がそろっているが、やはり物足りないのが投手力。抑えは山崎がいるが、先発陣が不振で、現在タイトルホルダーは0人。今季は先発陣の頑張りに期待だ。

「タイトルホルダーが最も多いチーム」を調べてみた結果、最多はソフトバンクで10人、最少は4人のDeNAとなった。ソフトバンクの場合、タイトルホルダーのほとんどがレギュラーや先発、中継ぎのローテーション入りと、主力選手であるのも特徴。昨季は4位に終わったが、本来の実力を発揮すれば再び優勝も争えるだろう。もちろん、タイトルは獲得していないが、成長著しい若手も各チームに存在する。今季、新たなタイトルホルダーが誕生するのか、その点も楽しみにしたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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