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川口和久WEBコラム

広島・佐々岡真司監督、今年は育てながら勝て!/川口和久WEBコラム

 

2人のオールドルーキーに期待



 今年のカープキャンプを見ていると、すごくワクワクする。

 投手陣については、今週発売の週刊ベースボールで書いたが、打線もそうだ。

 四番・鈴木誠也は抜けたが、思い切った起用をするチャンスだと思うし、林晃汰をはじめ若手の四番候補もいる。

 加えてキャンプで感じたのは新人2人のポテンシャルの高さだ。ドラフト3位の中村健人、6位の末包昇大はどちらも1年目から一軍に入ってくる力がある。中村が今年25歳、末包が26歳と、いわばオールドルーキーだが、どちらも新人らしからぬ落ち着きがある。

 特に末包のパワーはすごかった。体重が110キロなのに足も速いという。カープにもおかわり君誕生だね。

 一番の小園海斗、二番の菊池涼介から始まり、坂倉将吾、林、西川龍馬會澤翼、あとは忘れちゃいけない野間峻祥に、このルーキー2人が入った打線は楽しみでしかない。

 タナキクマルじゃないけど、中村は背番号50、末包は52だから51の小園との50番トリオで頑張ったら話題にもなるだろうしね。

 今は90年代前半、緒方孝市江藤智前田智徳らが一気に台頭したときのちょっと前の雰囲気に近いかな。当時はギラギラした若い野手が切磋琢磨をしていた。ただ、あのころのカープはとにかく厳しかったからね。彼らは鬼のような指導に必死についていきながら揺ぎ無き力をつけていった。

 今はあんな指導できないけど、逆にトレーニング理論や環境は進化しているし、カープ伝統のハングリー精神は、今も選手の根っこにあると思う。

 16年からの3連覇は投手が多少崩れようが打線が逆転し、打線が湿っていると投手が踏ん張ってと、相乗効果で勝ち進み、その中で若い選手が育っていく好循環があった。

 今は投手陣も軸が確立してきたから、若手野手の台頭次第で、あのときのような流れを取り戻す可能性はあるんじゃないかな。

 外国人選手はあくまでプラスアルファ。日本人選手が競争し合いながら着々と成長する姿こそカープファンが待っているものだと思う。

 育てながら勝つ。佐々岡真司監督が入団したときは、もう退任していたが、故・古葉竹識監督はそういう野球をやっていた。

 よみがえれ、古葉野球。

写真=BBM
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