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G大城卓三、C會澤翼、DB伊藤光…セ・リーグ6球団 「正捕手争い」の現状は?

 

グラウンドの司令塔である捕手。「優勝チームに名捕手あり」と言われるように、頂点に立つために最重要ポジションの一つだ。揺るぎない正捕手がいるチーム、複数選手でレギュラーの座を争っているチームとそれぞれだが、果たしてセ・リーグ6球団の「正捕手争い」の現状は?

読売ジャイアンツ



 宮崎キャンプで原辰徳監督が「捕手は横一線」と強調した中、一軍の沖縄キャンプに選ばれたのは大城卓三、岸田行倫山瀬慎之助の3人。指揮官に守備力を評価された山瀬はチャンス枠、新型コロナ感染で出遅れた小林誠司が三軍→二軍で調整を進めている現状を考えれば、大城と岸田の一騎打ちだ。指揮官にも「正捕手候補の一人」に指名された岸田は本気でポジション取りに挑むべく目の色を変えているが、現実的には実績上位、打撃面を含めた総合力で上を行く大城が一歩リードしている状況だろう。開幕までの1カ月で岸田や小林がどう巻き返していくのか。注目だ。

阪神タイガース



 昨季終盤の優勝争いを行っていた時期に開幕からスタメンマスクをかぶり続けながら、打撃不調となった梅野隆太郎に代わり、坂本誠志郎のスタメン出場が続いた。梅野も3年連続ゴールデン・グラブ賞の実績がある。もう一度スタメンマスクを取り戻し優勝するためにFA宣言せずに残留した。キャンプではそれぞれしっかりと調整を進めている。どちらが開幕スタメンマスクをかぶるのか分からない状況だ。オープン戦などで調子がいいほうがスタメンをつかむか。すべては矢野耀大監督の判断にかかっている。

中日ドラゴンズ



 基本線はプロ7年目を迎える30歳の木下拓哉だろう。一昨年の後半から正捕手に定着し、昨年は自己最多の123試合に出場。ほとんどの試合でマスクをかぶり、谷繁元信元監督以降、長年のチーム課題でもあった正捕手不在に終止符を打った。盗塁阻止率は2年連続の4割超え、大野雄大柳裕也と2年連続で最優秀バッテリー賞も受賞している。さらに今の貧打線に木下の高い打撃力は欠かせない。攻守で必要な存在だ。同級生の桂依央利が控えになるが、21歳の若竜、石橋康太の評価も高くなっている。将来の正捕手候補だ。チームに8人いる捕手の中では、この3人が最も一軍に近い。

広島東洋カープ



 まだまだ若い選手たちに負けない。昨季はスタメンマスク47試合にとどまった會澤翼だが、ポジションを争う坂倉将吾の上半身コンディション不良による出遅れもあって、現状、正捕手の筆頭候補であることは間違いない。昨季は2度の故障などもあって不本意なシーズンとなったが、悔しい思いを繰り返さないよう、今春はしっかりと調整を進めている。リーグ3連覇を支えた攻守は、今もなお確かな評価を受ける。それだけに本来の力を発揮して定位置奪取を願う声も大きい。會澤自身も「まだまだ試合に出られる自信はある」と気を吐く。投手陣は若い選手も多いだけに、高い経験値を持つ扇の要が巧みなリードで勝利へと導いていく。

横浜DeNAベイスターズ



 キャリア、実績と申し分のない伊藤光が正捕手マスクをかぶるべき存在ではあるが、持病の腰痛もあり、なかなかフルシーズン出場できていないのが現状。今季も戸柱恭孝山本祐大嶺井博希らとの併用となる見込みだ。昨季は4年目の山本が49試合でマスクをかぶり、貴重な経験を積んだ。今季はさらに出場機会を伸ばすために意欲的にキャンプを過ごしている。さらに、昨季初スタメンを経験した21歳の益子京右も好リードとパンチ力ある打撃で成長著しい。ベテラン、若手が一体となった群雄割拠の正捕手争いは、しばらく続きそうだ。

東京ヤクルトスワローズ



 背番号27はヤクルトにとって正捕手の証であり、その背番号を今季より着用するのが中村悠平である。20年ぶりの日本一を成し遂げた勢いそのままに、今季も扇の要として攻守でチームを引っ張っていく。キャンプではここまで順調に練習を消化しており、開幕へ向けて視界良好だ。チームは中村を正捕手に据えてシーズンを戦い抜くことになるが、その中村の背中を追うのが、6年目の古賀優大。古賀は昨季36試合で先発マスクをかぶり、キャリアハイの成績を残した。その経験を生かし、今季はさらなる活躍が期待される。課題の打撃で結果を残せれば、昨季以上の出場機会が見込まれるだろう。

写真=BBM
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