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平内龍太、堀田賢慎、鍬原拓也…覚醒待たれる巨人の「ドラ1」たち

 

 若い力の台頭はチームの大きな推進力になる。巨人は左腕の高橋優貴がプロ2年間で6勝と伸び悩んでいたが、昨季自己最多の11勝とブレーク。先発ローテーションに定着して奮闘した。今季高卒4年目を迎える戸郷翔征も2020、21年に2年連続9勝と順調にキャリアを積んでいる。ほかの若手投手たちも負けられない。特に「ドラ1」右腕たちは球団の期待も大きい。今年ブレークする投手は誰だろうか。

肉体改造で今年に懸ける


2021年のドラフト1位・平内


平内龍太
昨季成績 3試合登板、0勝1敗、防御率14.40
通算成績 3試合登板、0勝1敗、防御率14.40

 最速156キロ右腕はプロの高い壁に阻まれている。1年目の昨季は4月に救援で2試合登板したが、防御率8.31と結果を残せずファーム降格。5月に再昇格したが、16日の阪神戦(東京ドーム)で1回持たず4失点の乱調で再びファームに落ちた。変化球の精度に課題があり、制球も安定しないため直球に依存した窮屈な投球パターンで痛打を浴びる。「新人の当たり年」と呼ばれ、同じドラフト1位の佐藤輝明(阪神)、栗林良吏(広島)、伊藤大海(日本ハム)、早川隆久(楽天)が活躍している姿を見て悔しさも大きかっただろう。今年は肉体改造で体重を5キロ増量。100キロの巨体から力感あふれるフォームで一軍定着を目指すが、2月15日の練習試合・日本ハム戦で9回から登板し、6本の集中打を浴びて5失点。開幕一軍入りに向け、抑え続けて信頼を取り戻すしかない。

支配下昇格へ視界良好


2020年のドラフト1位・堀田


堀田賢慎
昨季成績 登板なし
通算成績 登板なし

 投手陣でブレークが期待される有力候補が堀田だ。185センチの長身から150キロ中盤を超える直球は魅力十分。まだ20歳だが、ケガを乗り越えて精神的にもたくましくなった。1年目の2020年1月に新人合同自主トレで右ヒジに違和感を訴え、4月にトミー・ジョン手術を受ける。同年オフに育成契約を結んだが、実戦復帰後は150キロを超える直球を連発。最速155キロに更新し、今年の春季キャンプでは山崎伊織と共に、桑田真澄投手チーフコーチが強化指定投手に指名。実戦でもきっちり結果を残している。2月11日の紅白戦では紅組の先発で1回1奪三振無失点の快投。17日に行われた練習試合・ロッテ戦でも圧巻の投球を見せる。一死満塁のピンチを招くが、五番・安田尚憲を152キロの直球で空振り三振に仕留めると、六番・西川僚祐に6球連続で直球を投げ込み、最後は152キロのストレートで見逃し三振で無失点。早期の支配下昇格に向け、視界良好だ。

背水の陣から復活へ


2018年のドラフト1位・鍬原


鍬原拓也
昨季成績 登板なし
通算成績 26試合登板、2勝3敗2ホールド、防御率6.04

 中大では東都大学リーグ通算165回で157三振を奪ったことから、「東都のドクターK」と称された。150キロを超える直球にシンカー、スライダーのコンビネーションは大きな伸びしろを感じさせたが、プロ入り後は課題の制球力が改善されず、なかなか一軍に定着できない。入団2年間で1勝のみと伸び悩んだため、2019年オフに原辰徳監督の助言でスリークォーターからサイドスローにフォームを改造。球威十分の直球で「制球もまとまるのでは」と期待を抱かせたが、20年8月に右肘頭の骨折が判明して育成契約に。実戦復帰後は投球フォームをスリークォーター気味に戻して安定感が増した。昨年8月に支配下昇格したが一軍登板なしに終わり、昨オフに再び育成契約を結んだ。プロ5年目の今年は背水の陣。支配下昇格を勝ち取り、一軍の戦力として稼働したい。

写真=BBM
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