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大山悠輔、佐藤輝明、マルテ…「阪神の四番打者」に最もふさわしいのは?

 

 昨年は2年連続で2位とリーグ優勝にあと一歩届かなかった。春先は首位を快走していたが、夏場以降は打線がつながらず得点力不足がV逸の要因となった。特に四番打者を固定できるかが今年のテーマの1つだろう。昨季日本一に輝いたヤクルトは自身初の本塁打王に輝いた村上宗隆巨人は2年連続本塁打、打点の2冠を獲得した岡本和真が不動の四番として座っている。阪神の四番打者に最もふさわしいのは誰だろうか。

新たな気持ちで野球に打ち込む


阪神・大山悠輔


※大山悠輔
昨季成績 129試合出場、打率.260、21本塁打、71打点
通算成績 580試合出場、打率.266、81本塁打、318打点

 四番の最有力候補は大山だろう。昨年は故障で離脱し、5月下旬に復帰以降も好機で凡退する打席が目立った。6月下旬に六番に降格し、その後再び四番に戻ったが打撃不振が長引きスタメン落ちを経験。シーズン終盤に本来の状態を取り戻したが、能力の高さを考えれば物足りない数字だ。2020年は打率.288、28本塁打、85打点といずれも自己最高の成績をマーク。巨人・岡本和真と熾烈な本塁打王を繰り広げるなど、「不動の四番」を担える力は十分にある。三塁のレギュラーを務めていたが、今年はチーム方針で一塁や左翼を守っている。守備の負担が軽減され、打撃にも好影響を与える可能性が。プライベートでも昨オフに一般女性との結婚を発表。生涯の伴侶を得たことで気持ち新たに野球に打ち込める。打率3割、30本塁打、100打点は達成可能な数字だ。

2年目に大きく飛躍を期す


阪神・佐藤輝明


※佐藤輝明
昨季成績 126試合出場、打率.238、24本塁打、64打点
通算成績 126試合出場、打率.238、24本塁打、64打点

 打球の飛距離は日本人離れしている。ロマンを抱かせる稀少価値の和製大砲だ。ドラフト1位で4球団が競合した逸材は昨年開幕から首位を快走するチームの中心選手として輝いた。4月9日のDeNA戦(横浜)で右中間に場外弾を放ち、5月28日の西武戦(メットライフドーム)では、長嶋茂雄(巨人)以来63年ぶりとなるルーキーで1試合3本塁打をマーク。一時は40本塁打を上回るペースで本塁打を量産したが、プロの世界は甘くなかった。8月下旬から59打席連続無安打と快音が止まり、ファーム降格も経験。内角高めの直球、ボール球になる低めの変化球のコンビネーションを相手バッテリーに徹底されて完全に打撃フォームを崩された。今年は外野から本職の三塁に戻り、春季キャンプで水を得た魚のように躍動感あふれるプレーを披露。打撃も仕上がりの良さを見せている。四番打者が似合う男だ。

優勝へ野手のキーマン


阪神・マルテ


ジェフリー・マルテ
昨季成績 128試合出場、打率.258、22本塁打、71打点
通算成績 262試合出場、打率.267、38本塁打、134打点

 明るい性格のムードメーカーは来日4年目ですっかりチームにも溶け込んだ。2月17日の春季キャンプでは「1日主将」で声出しを務め、持ちネタとなったアニメ『ポケットモンスター』のモノマネを披露。「ピカチュウ!」と声を張り上げて盛り上げた。最大の長所は対応力の速さだろう。来日当初は変化球主体の配球に戸惑ったが、ボールを見極められるようになり、2019年は出塁率.381をマーク。規定打席に到達しなかったが、打率.284、12本塁打、49打点をマークした。昨季も選球眼の良さでチャンスメークするだけでなく、勝負強い打撃でポイントゲッターに。大山の打撃不振で四番を務めた時期もあったが、本来は三、五番に座るほうが持ち味を生かせるかもしれない。本塁打後にベンチ前で選手たちと共に弓を引くポーズの「ラパンパラ」は大人気に。17年ぶりのリーグ優勝に向けて、野手のキーマンであることは間違いない。

写真=BBM
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