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バントでボールの勢いの殺し方は?「“平野スペシャル”がこれです」/元西武・平野謙に聞く

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回はバント編。回答者は歴代2位の451犠打を誇る元西武ほかの平野謙氏だ。

Q.バントを確実に成功させるための、ボールの勢いの殺し方を教えてください。(神奈川県・匿名希望・17歳)


A.バットをボールの軌道に合わせ、その軌道どおりに真っすぐ下げていくやり方

写真[1]


 バントの場合、ボールの勢いを殺すことで弱いゴロになり、投手、内野手が捕球するまでの時間を稼ぐことができます。

写真[2]


 一番シンプルなやり方がバットの芯を外すことです。バットの先のほうに当てる意識ですね。練習で自分のバットの一番いい場所を見つけ、それにしっかり当てる練習をしてみてください。これに以前、バットの握り方で説明したようにヘッドの部分を握るとき、バットと手のひらの間に空間をつくり、そこをクッションにように使うと、より殺しやすいと思います。どのくらいの球をどのくらいの感触で当てたら、どのくらい勢いが死んだゴロになるのかなど繰り返しているうちに分かってくると思います。

写真[3]


 ただ、このやり方だと、時々、勢いが死に過ぎると言うのか、ボトンと下に落ちて捕手前バントになってアウトになったことがありました。そこで考えたのが、バットを引く動きです。指導者によっては悪い例で挙げる人もいるかもしれません。確かにバットを引く動きをすると、体と顔も同時に上にあがって、目線がズレたり、バットにうまく当てられないケースもあります。

写真[4]


 私がしたのはバットをボールの軌道に合わせ、その軌道どおりに真っすぐ下げていくやり方です。具体的には後ろ足を引くようにして体ごと下げるようにしました(※写真[1]〜[4])。これだと芯に当たってもかなりボールの勢いを殺せました。基本かと言われると違うかもしれませんが、ある程度、バントに自信を持てるようになったら、ぜひ試してみてください。誰かを真似たり、教わったわけでもないので、“平野スペシャル”と言ってもいいかもしれませんね(笑)。

●平野謙(ひらの・けん)
1955年6月20日生まれ。愛知県出身。犬山高から名商大を経て78年ドラフト外で中日入団。88年に西武、94年にロッテに移籍し、96年現役引退。現役生活19年の通算成績は1683試合出場、打率.273、53本塁打、479打点、230盗塁。

『週刊ベースボール』2021年12月6日号(11月24日発売)より

写真=BBM
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