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巨人・秋広優人、中山礼都、岸田行倫…「レギュラー獲り」でチームを活性化できるか

 

 リーグ奪回を狙う巨人で、注目されるのが「若手成長株」たちだ。選手層が厚い中でレギュラーを勝ち取るのは容易ではないが、実戦で結果を出し続ければ道は開ける。秋広優人中山礼都岸田行倫……成長著しい選手たちがブレークできるか注目される。

「55」を背負う左のスラッガー


今季からかつて松井秀喜が着けた背番号「55」に変更した秋広


・秋広優人
昨季成績1試合出場、打率.000、0本塁打、0打点、0盗塁
通算成績1試合出場、打率.000、0本塁打、0打点、0盗塁

 プロ2年目の長距離砲は昨オフにかつて松井秀喜が背負った背番号「55」を与えられた。二松学舎大付高からドラフト5位で入団した昨年は2月の宮崎キャンプ中に一軍に昇格すると、身長2メートルの体格から力強さと柔らかさを兼ね備えた打撃で猛アピール。一軍出場は1試合に終わったが、イースタン開幕戦で四番に抜擢されるなど82試合出場で打率.229、8本塁打、26打点をマークした。

 秋広は週刊ベースボールのインタビューで、「試合に出ている以上、結果を残さないといけないですし、数字を見てもいい成績とは言えないですよね。初めてのシーズンで、数字面での目標を立てていたわけではないですけど、アベレージは少し、というか、かなり思うようにはいきませんでした。逆に、ホームランに関しては、8本も打てるとは正直、考えられなかった。特に開幕後はまったくホームランが出なかったので、本当に大丈夫かな? やっていけるかな? と思っていたんですけど。後半以降、徐々に増えていった感覚。来季は1年を通じて結果にもこだわっていきたいです」と手応えと課題を口にしている。1月は中田翔との合同自主トレで厳しいトレーニングと共に、1日9合の米を食べる「食トレ」で体重は100キロを超えた。分厚くなった体で進化した姿を見せる。

好打を誇る「ポスト坂本勇人」


ポテンシャルの高いバッティングが大きな武器の中山


・中山礼都
昨季成績一軍出場なし
通算成績一軍出場なし

「ポスト坂本勇人」に最も近いのが高卒2年目の遊撃手だ。昨季はファームで規定打席未達だったが打率.309をマーク。天才的なバットコントロールで広角に打ち分ける打撃技術を見れば、一軍のスタメンで起用し続ける価値が十分にある。中京大中京高では「三番・遊撃手」で2年秋の新チーム結成以降、公式戦負けなしの28連勝を達成。エース・高橋宏斗(現中日)と共にチームの中心選手だった。巨人にドラフト3位で指名された際は、「巨人は日本一の球団だと思っています。そこで戦力となれるように。同じポジションとして坂本勇人選手は、打てるショートとしてずっとあこがれだった存在。いつかは、追いついて、追い越せるようになりたい」と熱い思いを語っている。

 野球小僧はプロ1年目のオフも練習を続け、年末年始も無休でトレーニングに打ち込んだ。初の一軍メンバーとなった2月の春季キャンプでは実戦で快音を響かせ、首脳陣の評価を高めている。坂本の壁は高いが練習試合、オープン戦で結果を出し続ければチャンスは必ず巡ってくるだろう。

「3番手捕手」からの脱却を


5年目の今季はレギュラー獲りへ勝負のシーズンとなる岸田


・岸田行倫
昨季成績27試合出場、打率.182、0本塁打、2打点、0盗塁
通算成績65試合出場、打率.236、1本塁打、7打点、0盗塁

 上記の秋広、中山は高卒2年目。岸田は25歳という年齢を考えると、置かれた立場が違う。若手成長株ではなく、結果が求められるシーズンになる。アマチュア時代から捕手としての資質は抜きん出ていた。強肩強打の捕手として報徳学園高で甲子園に2度出場。高3時の2014年に開催されたU-18アジア野球選手権の高校日本代表では三番に座り、現在チームメートで同学年の岡本和真が四番だった。社会人・大阪ガスでも入社1年目から正捕手を務め、18年ドラフト2位で巨人に入団後も攻守で能力の高さを垣間見せている。

 当時の相川亮二一軍バッテリーコーチ(現DeNA一軍バッテリーコーチ)は「総合力ではチームの捕手でもかなり高い。打つ、投げる、走る。全体のレベルを一回り上げることができたら、将来は一軍の正捕手も十分に狙える」と絶賛。「将来の正捕手」として嘱望されているが、同期入団の大城卓三小林誠司に次ぐ「3番手捕手」の序列をなかなかひっくり返せない。チームを盛り上げるムードメーカーで甘んじるつもりはない。プロ5年目の今季は勝負の年になる。

写真=BBM
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