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佐々木朗希が大ブレークの予感 「1年間ローテ守れば15勝は固い」の声が

 

順調に駆け上がっている階段


3年目の今季、実戦で圧倒的なピッチングを見せている佐々木朗


 ロッテ佐々木朗希が2月の春季キャンプから異次元の投球を披露している。

 今年初の実戦登板となった19日の日本ハム戦(名護)で、直球がプロ入り後最速の163キロを計測。大船渡高3年春にマークした自己最速に並んだが、本人はマウンド上で気にする素振りはない。昨年は公式戦で投げなかったカーブを交えるなど投球に幅を感じさせた。そして、26日の練習試合・西武戦(春野)で3回7奪三振のパーフェクト。西武の強力打線に対して圧巻の投球だった。初回に一番・外崎修汰、二番・森友哉を140キロ台のフォークで連続三振。三番・呉念庭を158キロの直球で空振り三振に仕留めた。2回以降も完ぺきに抑え込み、順調な仕上がりぶりをアピールした。

 他球団のスコアラーはこう分析する。

「この時期は投手のほうが打者より仕上がりが早いですが、佐々木朗はそういう次元ではない。直球は球速が速いだけでなく、昨年よりキレも増したように感じる。バットに当てることさえ厳しい上、フォーク、スライダーも精度が上がってきているので攻略は至難の業です。シーズンは長いので好不調の波はありますが、積んでいるエンジンが他の投手と違う。1年間先発ローテーションで回れば15勝は固いでしょう」

 順調に階段を駆け上がっている。プロ1年目の2020年は一、二軍で実戦登板せずに体力づくりに専念。2年目の昨季は11試合登板、3勝2敗、防御率2.27で、その内容は数字以上に濃かった。一軍デビュー戦となった5月16日の西武戦(ZOZOマリン)は5回4失点で降板。スポーツ紙記者は「球は確かに速いが、変化球の制球がまだまだでフィールディング、クイックなど投球以外も問題点が目立った。一本立ちするのはしばらく時間がかかるだろうという見方が多かった」と振り返る。

 だが、中10日以上の登板間隔を空けて登板を重ねると、安定感がグッと増した。クイックも速くなり走者は容易に走れない状況に。チームが熾烈な優勝争いを繰り広げる中、登板間隔を詰めた10月は3試合登板で1勝0敗、防御率0.47とエース格の働きぶりを見せる。11月6日のCSファーストステージ初戦・楽天戦(ZOZOマリン)の先発に抜擢されると、プロ入り後の実戦で最速の159キロをマークし、6回10奪三振1失点の快投。デビュー戦からわずか5カ月にも関わらず、想像を超える速さで進化していた、

目標は「開幕ローテーション」


 週刊ベースボールの新春恒例の絵馬企画では、「2021年は、シーズン途中からの一軍登板で、間隔を空けながら投げていたので、2022年は開幕から1年間、チームに貢献したいと思っています。そのためには練習が大事。オフからしっかり準備をして、キャンプからアピールしていきたい。1年間、チームに貢献し続けて、リーグ優勝の力になれるように頑張ります」と誓い、絵馬に「開幕ローテーション」と目標を綴った。

 佐々木朗の力をもってすれば謙虚に感じるが、心身共に開幕を万全な状態で迎えられれば、自然と白星は積み上がっていくだろう。同期のオリックス宮城大弥は昨年13勝4敗と大ブレークして25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。その活躍ぶりは刺激になっただろう。ロッテが頂点に立つために、佐々木朗が先発陣の中心として稼働する。

写真=BBM
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