週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

F五十幡亮汰、M山口航輝、B杉本裕太郎…パ・リーグ6球団 今季の「四番打者」は誰?

 

打線の中心で上位浮上のために固定されることが望まれる四番打者。長打力、勝負強さが求められ、チームNo.1のスラッガーが座る打順だ。果たして、今季の四番構想は? パ・リーグ6球団の「四番打者」を探る。

北海道日本ハムファイターズ



 新庄剛志監督には「俊足四番構想」がある。二死満塁で足の速い左打者が内野ゴロを打てば野手は慌てて得点機も増えるという発想。実戦でも、球界隨一の俊足・五十幡亮汰を四番に起用してきた。開幕も「四番・五十幡」が濃厚かと終われたが、3月2日のヤクルト戦(札幌ドーム)の守備中に腰に違和感を覚え途中交代、急性腰痛と診断された。「大丈夫かもしれんけど、俺はそういうところ大丈夫じゃない。厳しいですよ」と、指揮官はケガをする選手にはシビアだ。2月27日の広島戦(名護)では一軍通算7試合出場の田宮裕涼を四番に抜てき。捕手ながら昨季イースタン14盗塁の俊足の持ち主だ。横一線の勝負を実践する今季、予想もできない開幕四番が誕生する可能性もある。

千葉ロッテマリーンズ



 和製大砲誕生はチームの未来を明るくする。昨季の開幕四番は安田尚憲が務め、途中からブランドン・レアードに明け渡すなど助っ人砲の存在は大きいが、今季、その座を狙うのが高卒4年目の山口航輝だ。2月の練習試合から四番に座り、バックスクリーンへの豪快弾を放つなど好調ぶりをアピール。レアードのほか、安田、レオネス・マーティンらも候補になってくるだろうが、若き右の強打者が君臨すれば打線に厚みが増すのは間違いない。右翼席にも運ぶパワーと技を持ち、昨季9本塁打のうち5本を後半戦で放った“期待株”は「今年は10本(塁打)じゃ全然足りません」と30本塁打を目指す。21歳が不動の四番となれば、悲願の優勝も近づくいてくる。

福岡ソフトバンクホークス



 藤本博史監督は就任直後、今季の去就が未定の段階から、四番・Y.グラシアルを思い描いていた。その時点では退団濃厚とのウワサも、最終的には残留。昨季を棒に振った右手のケガも問題ない状況で来日。筑後・ファーム施設での調整を経て、春季キャンプ中に一軍(A組)に合流している。実戦ではまだまだ本調子とは言えないものの、持ち前の真面目さで開幕に向けてしっかりと状態を上げてきている。勝負強い打撃は2018年に入団した直後からチームを支えてきた。ホームランはもちろんのこと、状況に合わせたバッティングができる器用さも持ち合わせる。指揮官の中では三番・柳田悠岐、五番・栗原陵矢も決まっているだけに、今季は彼らとともに強力クリーンアップを構成してほしい。

オリックス・バファローズ



 昨季の成績がフロックでなかったことを証明する。昨年5月から四番に定着した杉本裕太郎が、今季もその座に就くことが濃厚。キャンプ地・宮崎での練習試合から四番で出場し、不安を感じさせない打撃を見せている。「四番・右翼」で出場した3月1日のロッテとのオープン戦(京セラドーム)では2回二死二塁から相手先発・石川歩が投じた内角高めの直球を詰まりながらも右前へ。先制適時打を放つと、3回には内角の変化球を左翼線へ二塁打。「内角はより(バットをボールの)内側から出すイメージでやっている。詰まったけど、イメージどおり」。厳しい内角攻めが予想される今季も心配は無用だ。3割30本塁打をマークし、タイトルを獲得した背番号99が、今季も打線の軸となる。

埼玉西武ライオンズ



 今年こそ、四番の座を全うする。昨季は開幕四番でスタートしながらケガや不振に陥り、四番では21試合のスタメン出場にとどまった山川穂高。得点圏打率も.172と勝負強さが影を潜めた。何よりも本塁打は2年連続20本台に終わる24本。2018、19年に47、43本塁打を放ってタイトルを獲得した山川からしてみれば物足りな過ぎる数字だ。もちろん、自主トレ、キャンプと精力的に練習に励んだ。その中で「今年のテーマは“ケツ”(=お尻)です」と言う。自身の中で、打席で「ここさえハマれば大丈夫」という確かな“肝”を見いだせた。「四番で全部出る。ここにはかなりプライドを持ってやりたい」。3年ぶりのホームランキング奪回も誓う。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 主砲候補となる新助っ人のクリス・ギッテンスホセ・マルモレホスは3月上旬の来日が濃厚とされるが、開幕までの準備期間は短い。昨年もっとも長い期間、四番を務めたのが島内宏明だ。96打点をマークして自身初の打点王に輝いた。石井一久GM兼任監督は、開幕からこの左打者に四番の座を任せる可能性が高い。春季キャンプを順調に過ごし、打撃面ではフルスイングで逆方向へ強い打球を飛ばすことを意識してきた。3月25日の開幕へ向け、オープン戦も本格化。11年目のシーズンへ向けては「“新人王”を獲りたいですね。フレッシュさを持って頑張っていきたい」と、らしさ全開で意気込んでいる。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング