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オープン戦最下位のシーズン成績は? 昨季はヤクルトが最下位から日本一、下位でも悲観しなくてもいい!?

 

昨季、高津臣吾監督率いるヤクルトはオープン戦最下位だったが、日本シリーズを制した


 2021年シーズンは、セ・リーグがヤクルト、パ・リーグはオリックスがリーグを制した。どちらも前年最下位だったチームだが、特にヤクルトはオープン戦でも最下位と苦しい状況だった。そのため、開幕前に優勝すると予想できた人は少ないだろう。では、昨季のヤクルトのように、オープン戦最下位からリーグ優勝したチームは過去10年であるのだろうか? 「オープン戦最下位のシーズン成績」を調べてみた。

Bクラスに沈むケースもは多いが過去2年はリーグ優勝


 過去10年のオープン戦最下位チームと、そのシーズンの成績は以下のとおり。

●2012年
阪神:17試合5勝10敗2分 ⇒ リーグ5位

●2013年
中日:20試合4勝14敗2分 ⇒ リーグ4位

●2014年
ヤクルト:13試合1勝11敗1分 ⇒ リーグ6位

●2015年
広島:12試合3勝7敗2分 ⇒ リーグ4位

●2016年
中日:16試合4勝9敗3分 ⇒ リーグ6位
DeNA:15試合4勝9敗2分 ⇒ リーグ3位
オリックス:16試合4勝9敗3分 ⇒ リーグ6位

●2017年
巨人:19試合5勝14敗 ⇒ リーグ4位

●2018年
阪神:16試合2勝12敗2分 ⇒ リーグ6位

●2019年
日本ハム:13試合3勝7敗3分 ⇒ リーグ5位

●2020年
巨人:16試合2勝10敗4分 ⇒ リーグ優勝

●2021年
ヤクルト:13試合3勝9敗1分 ⇒ リーグ優勝、日本一

 過去10年でオープン戦最下位になった12チームは、ほとんどが公式戦でもBクラスに沈んでいる。特に多いのがリーグ6位で、2014年のヤクルト、2016年の中日とオリックス、2018年の阪神が厳しいシーズンを送ることになった。

 一方、Aクラス入りは3回。2016年に中日、オリックスと同率最下位だったDeNAは、公式戦3位と大きく巻き返した。2020年はオープン戦で8連敗を喫し、わずか2勝に終わった巨人がリーグ優勝。最下位からのリーグ優勝は過去10年で初だった。

 さらに、翌2021年もオープン戦最下位のヤクルトがリーグを制覇。現在のチーム体制となった2005年以降では、2008年に巨人がオープン戦最下位からのリーグ優勝を記録しているが、2年連続は初めて。また、「オープン戦最下位から日本一」も現在のチーム体制になってから初の快挙だった。

オープン戦優勝チームは公式戦でも好調


 では、オープン戦で「最下位」ではなく「優勝」したチームは、そのシーズンにどのような結果を残しているのだろうか。

●2012年
ヤクルト:14試合9勝3敗2分 ⇒ リーグ3位

●2013年
巨人:17試合10勝4敗3分 ⇒ リーグ1位

●2014
ソフトバンク::19試合15勝2敗2分 ⇒ リーグ1位、日本一

●2015年
ソフトバンク:17試合11勝5敗1分 ⇒ リーグ1位、日本一

●2016年
阪神:15試合7勝3敗5分 ⇒ リーグ4位

●2017年
ロッテ:18試合13勝2敗3分 ⇒ リーグ6位

●2018年
巨人:17試合11勝5敗1分 ⇒ リーグ3位

●2019年
広島:16試合8勝4敗4分 ⇒ リーグ4位

●2020年
西武:9試合6勝2敗1分 ⇒ リーグ3位

●2021年
阪神:13試合9勝2敗2分 ⇒ リーグ2位

 オープン戦優勝のチームはリーグ1位が3回(内2回で日本一)、2位が1回、3位が3回。やはりAクラス入りの可能性は高いといえるだろう。一方、Bクラスで終わった例は3回。2017年のロッテのように、オープン戦は好調でも、開幕するとまるで別チームのようになってしまうケースもある。オープン戦で調子がいいといっても油断はできない。

 過去10年のオープン戦最下位チームとそのシーズンの成績をまとめてみた。優勝チームは公式戦でも好調というケースは多いが、最下位に終わったとしても、直近2年のように優勝する可能性もある。また、2017年、2018年とリーグを連覇した広島は、どちらの年もオープン戦はブービー。2019年のオープン戦では10位に沈んでいた西武も、リーグ優勝している。こうしたここ数年の結果を鑑みると、オープン戦で下位に沈んだとしても悲観することはなさそうだ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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