2001年4月2日から02年4月1日生まれの「2001年世代」。高卒であれば20年にプロ野球のユニフォームを着て、今年が3年目のシーズンとなる。すでに一軍戦力となっている選手、今季に飛躍を懸ける選手と、立場はそれぞれだ。果たして、セ・リーグ6球団の「2001年世代」の現在地は? 読売ジャイアンツ
「2001年世代」の筆頭格はトミー・ジョン手術から復活を果たし、支配下再登録はもちろん開幕先発ローテーション入りに名乗りを上げているドライチの
堀田賢慎。ほかにも3位・
菊田拡和、4位・
井上温大、6位・
伊藤海斗と現在は育成契約の選手を含めて高卒3年目の選手たちが一軍戦力になるべく腕を磨いている。その中で5位の山瀬慎之助の評価が急上昇。沖縄キャンプから一軍入りを果たすと、自慢の強肩をはじめとする高い守備力で首脳陣をうならせた。オープン戦に突入しても着実に出場機会を得ており、
大城卓三、
岸田行倫といった正捕手候補たちのバットが湿ったままならば逆転で開幕スタメンマスクを勝ち取ってもおかしくはない。
阪神タイガース
「2001年世代」の高校BIG4のうち2人が阪神に入団している。ドラフト1位の
西純矢は昨季、一軍で初先発初勝利をつかんだが、定着できず現在は投球フォームを改良中で、さらなる進化を目指している。もう一人がドラフト3位の及川雅貴。西純と同じく昨季一軍昇格後は、リリーバーとして起用されるようになり、勝ちパターンの試合でもマウンドに上がるなど39試合に投げ2勝3敗10ホールドで防御率3.69の成績だった。今季は先発での調整をキャンプで行ったが、実戦で結果を残せず昨季同様、中継ぎに回った。だが、その中継ぎで結果を残しながら先発登板のチャンスを狙っていく。
東京ヤクルトスワローズ
「2001年世代」の代表格である奥川恭伸。昨季終盤の活躍そのままに、今季はエース級の活躍が期待される。オープン戦の投球内容を見る限り、万全の状態には至っていないが、それでも阪神を3回1失点、
中日を4回1失点に抑えている。初の開幕投手も見据える3年目のシーズン。目標の2ケタ勝利を通過点にして、先発投手のタイトル争いにも加わりそうだ。「2001年世代」は奥川のほかに
長岡秀樹、
武岡龍世の内野手2人がいる。ともに1年目から一軍出場を果たしており、今春は初の一軍キャンプに抜擢され無事完走。一軍で二遊間を組む日もそう遠くはない。
広島東洋カープ
残り2枠となった開幕先発ローテーション争いの真っただ中にいる
玉村昇悟に、オープン戦で“一軍初出場”を果たし打点も挙げた
韮澤雄也。まだまだ伸び盛りの面々の中で今春、ひときわアピールを続けているのが、育成3年目を迎えた持丸泰輝だ。一軍に抜てきされたキャンプを完走。「真っすぐに振り負けないのが自分の持ち味」と語るように、3月3日の
DeNAとのオープン戦(横浜)では5回無死一塁の場面で代打出場し、初球の真っすぐをとらえてホームランにした。打撃面に関しては、
東出輝裕野手総合コーチも太鼓判を押す。このままの勢いで支配下をつかめるか。
中日ドラゴンズ
「2001年世代」は19年秋のドラフト高卒入団組だが、中日には3人の選手がいる。1位の
石川昂弥、5位の岡林勇希、6位の
竹内龍臣だ。竹内はルーキーイヤーから故障が重なり、2年目から育成契約となっている。石川昂と岡林は1年目から一軍に出場し、今季は開幕スタメンの可能性も高い。長距離砲の石川昂と俊足好打の岡林とタイプは違うが、
立浪和義監督も期待をかけている若竜2人だ。特に岡林はプロ入団と同時に投手から打者に転向。まだ野手は実質2年と考えれば、その成長スピードには驚くばかりだ。現在、右翼はレギュラー不在の激戦区。オープン戦でも連日のように安打を放ってアピールし、岡林がその座に最も近いと言われている。
横浜DeNAベイスターズ
森敬斗を筆頭に高卒3年目の若い力がそろう。一軍出場経験のある森以外では、ケガから再スタートを期す右腕・
浅田将汰、伸び盛りの捕手・
東妻純平、大型内野手・
田部隼人が一軍昇格を目指してファームで技術を磨いている。この春、チームに新しい風を吹き込んでいるのが、新人の大橋武尊。育成ながら3月3日の広島とのオープン戦(横浜)では、4回に代走で出場すると二盗、三盗を決め俊足ぶりをアピール。バットでも2安打と気を吐いた。慢性的に機動力不足に悩むチームだけに、大橋の存在は大きい。早期の支配下登録も期待される。
写真=BBM