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丸佳浩、松原聖弥、吉川尚輝…「巨人の一番打者」に最もふさわしいのは?

 

 V奪回を狙う巨人でカギを握るのが一番打者だ。昨年はFAで加入した梶谷隆幸が最有力候補だったが、度重なる故障で61試合出場に終わった。昨年10月に腰椎椎間板ヘルニア手術を受けて復帰を目指しているが、一軍での実戦復帰に向けて慎重に調整する方針だ。オープン戦では丸佳浩松原聖弥が一番で起用されている。機動力が使える吉川尚輝を含めて、「切り込み隊長」を務める選手は誰になるだろうか。

今季の目標は3割、25盗塁


昨季は巨人の育成選手として初の規定打席をクリアした松原


・松原聖弥
昨季成績135試合出場、打率.274、12本塁打、37打点、15盗塁
通算成績221試合出場、打率.269、15本塁打、56打点、27盗塁

 昨年は前半戦に梶谷隆幸が負傷離脱、丸が打撃不振でファーム降格とアクシデントが続く中、スタメンで結果を残した。後半戦は「一番・右翼」に座り、巨人の育成出身選手として初の規定打席をクリア。自己最高の成績を残した松原だが、満足感はない。週刊ベースボールのインタビューでは、「全然、物足りないですね。シーズン中から思っていたことですが、納得いく数字は一つもないと思います。盗塁(15盗塁)もヒット(118安打)も出塁率(.333)も、得点圏打率(.179)も。数字で見ると全部ですね」と振り返っている。

 昨オフに背番号31から9に変更。今季の目標には打率3割、25盗塁を挙げる。「もちろん一番を打つことができれば、それ以上はないと思いますけど、どの打順を任されても、そこでしっかり仕事ができるようにしたいです」と語った上で、「まず出塁することですね。先ほども言いましたが(坂本)勇人さん、(岡本)和真、丸さんなどいいバッターが続くので。その前にランナーをためることです。フォアボールも含めて、どんな形でも出塁しなければいけないというのはあります」とテーマを掲げる。野球センスは抜群だけに粘り強さを身につけ、相手に「嫌がられる一番打者」になれるか。

広島時代に一番の経験も


出塁率が高く、長打もある丸が一番に定着すれば相手にとって脅威だ


・丸佳浩
昨季成績118試合出場、打率.265、23本塁打、55打点、5盗塁
通算成績1470試合出場、打率.280、224本塁打、761打点、165盗塁

 昨季は不運も重なり好不調の波が激しいシーズンになった。開幕して間もなく新型コロナウイルスに感染したことが判明して戦線離脱すると、復帰後も打率.227、4本塁打、8打点と打撃不振で6月にファームへ再び降格。故障以外の二軍落ちはで9年ぶりだった。一軍復帰以降は打率3割近くまで上昇したが、勝負どころの8月以降に快音が止まった。広島時代から丸自身に続いていたリーグ優勝も5年連続でストップ。ただ、まだまだ衰えを指摘するのは早過ぎる。

 昨季の出塁率.365はチームトップで、6年連続20本塁打をマーク。今年はオープン戦で一番に起用され、3月3日の西武戦(東京ドーム)で先頭打者アーチを放ち、6日の日本ハム戦(札幌ドーム)でも2打席連続フェンス直撃の二塁打を放つなど、状態の良さをアピールしている。広島時代も一番を務めた経験があることから、戸惑いはないだろう。出塁率が高く、長打も打てる丸が一番に入れば相手バッテリーの脅威になる。新たな役割で再び輝きを取り戻せるか。

立浪監督も評論家時代に高評価


昨季は打率.272に終わったが、もっと数字を伸ばせる能力はある


・吉川尚輝
今季成績108試合出場、打率.272、5本塁打、25打点、7盗塁
通算成績328試合出場、打率.272、17本塁打、89打点、31盗塁

 昨年は打撃が絶好調だった6月上旬に、左手中指骨折で2カ月間戦線離脱したことがチームにとっても大きな痛手だった。坂本、梶谷、丸と主力が離脱する中、三番で打率3割を超えるハイアベレージをマーク。規定打席には届かなかったが、復帰後も三番や一番を任された。俊足を生かした二塁の広い守備範囲は「広島の菊池涼介を上回る」と評されるほどで、球際の強さ、技術の精度が上がっている。打撃も巧みなバットコントロールで打率3割、首位打者のタイトルを狙える潜在能力を秘めている。

 中日立浪和義新監督は野球評論家だった20年10月、週刊ベースボールのコラムで「細身ですが、バッティングに関しては、いわゆる、しっかり振れる選手で、パンチ力もあります。内角球に対するヒジのたたみ方は独特で器用さもあります。プロの投手に慣れていけば打率はもっと上がっていくと思います」と吉川を評価していた。打線の「つなぎ役」が多いが、一番で起用されても活躍する可能性は十分にある。

写真=BBM
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