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プロ野球はみだし録

開幕に向けて吹く逆風、延期された2011年と20年。最も早い開幕は?【プロ野球はみだし録】

 

最も遅かった2020年


2011年、プロ野球選手会会長を務めていた新井


 この2022年もペナントレース開幕の足音が聞こえ始めた。開幕に向けての逆風が続く昨今だが、予定どおりに開幕することを願うばかりだ。11年前、2011年の開幕に向けても、強い逆風が吹いた。何が原因かは、あえて触れない。当時を知らない若い人には調べてほしい。今日はいい機会だ。開幕が予定されていたのは3月25日。今年と同じ日程だった。

 早々に4月12日への延期を表明したのがパ・リーグだった。パ・リーグには楽天もある。“自粛”だけではない事情もあった。一方で、セ・リーグは巨人の猛反発があり、予定どおりの開幕を主張する。プロ野球は04年に球界再編の嵐が吹き荒れ、やはり巨人を中心としたNPBと選手会が激しく対立した印象も鮮明だった時期。選手会長はヤクルト古田敦也から阪神新井貴浩になっていたが、この構図が再現される。選手会はセ・リーグの開幕戦も延期を要望。世の中には節電が求められ、計画停電などの混乱も続いたこともあって、最終的にはセ・リーグも4月12日の開幕に落ち着いた。

 とはいえ、その時期の開幕は、20世紀のプロ野球を知るファンにとっては、時期的には遅いものと思えなかったのではないだろうか。ただ、20年の開幕は、やむを得ないこととはいえ、かなり遅く感じられたはずだ。6月19日。まだまだ猛威を振るう感染症の影響だ。1リーグ時代の2シーズン制やパ・リーグの前後期制など変則的なシーズンもあるが、これがプロ野球で最も遅い開幕となる。

 逆に、現状とは前提が違う1リーグ時代を除いて、最も早い開幕はいつだっただろうか。1964年は東京オリンピックの開会式、10月10日までに閉幕するべく、パ・リーグは3月15日、セ・リーグは20日に開幕。これより早かったのが2リーグ制“元年”の50年だ。セ・リーグが開幕したのは3月10日で、パ・リーグが11日。2011年や20年に比べれば逆風も“微風”のようなものだが、国鉄(現在のヤクルト)の創立が1月12日、新たに参加した球団による選手の引き抜き合戦にGHQが指針を示すなどの混乱もあったから、強行スケジュールだったことは確かだ。

文=犬企画マンホール 写真=BBM
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