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E松井裕樹、H森唯斗、F北山亘基…パ・リーグ6球団 今季の「クローザー」は誰?

 

チームに勝利を手繰り寄せる存在だ。勝ちゲームを締める役割を担うクローザー。このポジションが機能していなければ上位進出は望めない。果たして、今季の守護神構想は? パ・リーグ6球団の「クローザー」を探る。
※記録は3月11日現在

東北楽天ゴールデンイーグルス



 今季は大記録達成へ挑むシーズンとなる。通算200セーブまで残り35と迫る松井裕樹。200セーブ達成の史上最年少記録は30歳6か月の佐々木主浩(当時横浜)。今年で27歳になる松井裕が最年少記録を更新する可能性は限りなく高い。先発から復帰した昨年は5月9日の日本ハム戦(札幌ドーム)で通算150セーブをマーク。もちろん、これも25歳6カ月の史上最年少での達成だ。今年はここまで練習試合、オープン戦の実戦3試合に投げて無失点。ボールの角度、変化球のキレは抜群だ。2019年には38セーブを挙げて自身初の最多セーブ投手のタイトルを獲得。チームに優勝を導くために、背番号1が3年ぶりのセーブ王に輝いてみせる。

千葉ロッテマリーンズ



 昨季のタイトルホルダー・益田直也が今季も不動の守護神だ。井口資仁監督も「シーズン完走してもらわないと困る1人」と話し、後半戦に入るまでは原則2連投までは継続する見込み。チームの勝敗を握る重圧あるマウンドだけに「もちろん責任を持って投げている」と話す右腕は「映画で言うラストシーンが抑え。エンドロールが流れるところがセーブかな、と。皆が勝った気持ちで見てている中で、期待する結末で完結させたい」と表現する。チームメートのみならず、ファンと喜びを分かち合うため、今季も9回のマウンドへ。「絶対に引くな「絶対に攻める」の信念を貫き、打者に立ち向かう。

福岡ソフトバンクホークス



 鉄腕復活となるか。ルーキーイヤーから7年連続50試合以上、2018年から3年連続30セーブ超えと、常勝軍団の守護神に君臨していた森唯斗。しかし、昨季は4月に左ヒジを痛め、5月末に手術。プロ入り初となる長期離脱を余儀なくされた。後半戦に復帰するも、打者をねじ伏せるような本来の力強い投球は見られなかっただけに、今季こそは開幕から万全な姿を見せたいところだ。今春キャンプでは右前腕部の張りを訴えて一時ノースロー調整も、3月5日のロッテとのオープン戦(PayPayドーム)で実戦登板果たした。ここから調子を上げていき、開幕からはエンジン全開で。気迫のこもった投球で今季こそは離脱なく、試合を締め続ける。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・北山亘基


 昨季リーグ3位の28セーブを挙げた杉浦稔大が今季もクローザー候補だが、キャンプ中の2月12日に左半膜様筋肉離れと診断され出遅れている。リハビリを経て3月9日からブルペン投球を開始、12日の広島戦(マツダ広島)で実戦復帰する見込みだが、開幕に間に合うかは不透明だ。昨季も登録抹消による再調整を繰り返しただけに、杉浦以外の抑え候補は必要不可欠。そこで、浮上してきたのがオープン戦2試合で計3回を投げ打者10人に対して8奪三振のドラ8ルーキー・北山亘基だ。直球はMAX156キロを計時し、決め球の変化球も多彩。ルーキーの抑え抜てきの可能性もある。右ヒジのトミー・ジョン手術から完全復活を期す石川直也も守護神争いに加わりたい。

オリックス・バファローズ



 今年38歳を迎える頼れるベテラン右腕・平野佳寿が今季もクローザー候補筆頭だ。4年ぶりにメジャーから帰ってきた昨季は、46試合に登板して29セーブ。開幕時はセットアッパーも、不安定だった抑えを託され、さすがの安定感を見せた。一時故障離脱したが、交流戦で早期復帰すると同時にチームも上昇。抑えの存在の大きさを示してみせた。若手もその座を狙う。昨季チーム最多51試合に登板した富山凌雅も、その一人で「いつまでもベテランに頼ってばかりはいられない」と頼もしい。右ではK-鈴木ら候補者は多数。将来を見据えれば、若手の台頭が待たれるが、ベテランとの競争が互いのレベルを上げていく。重圧あるマウンドに君臨するのは誰か。今季の行方を左右する1つのポイントとなりそうだ。

埼玉西武ライオンズ



 昨季、シーズン途中からクローザーに転向し、20セーブを挙げた平良海馬。セットアッパー時から日本記録となる39試合連続無失点をマークするなど強烈なインパクトを残したが、昨年末に右足首の手術を受けた影響からキャンプはB班で調整は遅れ気味。3月10日、シート打撃に登板して最速152キロも計時したが、辻発彦監督は昇格時期に関して「完璧になったら」と語っており、開幕後になるだろう。そこで白羽の矢が立ったのは増田達至だ。昨季は下半身のコンディション不良もあり、クローザーの座を平良に明け渡したが2020年に史上3人目の無敗でセーブ王に輝くなど実績は十分。「もう1度信頼を取り戻せるように」と今季に懸ける思いが強い背番号14が再びクローザーとして輝けるか。

写真=BBM
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