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Gビエイラ、T岩崎優、DB山崎康晃…セ・リーグ6球団 今季の「クローザー」は誰?

 

チームに勝利を手繰り寄せる存在だ。勝ちゲームを締める役割を担うクローザー。このポジションが機能していなければ上位進出は望めない。果たして、今季の守護神構想は? セ・リーグ6球団の「クローザー」を探る。
※記録は3月11日現在

読売ジャイアンツ



 昨季はシーズン途中から守護神に定着して56試合登板、19セーブ、8月13日の中日戦(東京ドーム)ではNPB史上最速となる166キロを計測したT.ビエイラ。外国人選手では史上最長となる32試合連続無失点の偉業も達成するなど圧倒的な存在感を放った右腕が、今季も9回のマウンドを任されることになる。3月3日、西武とのオープン戦(東京ドーム)では2安打を許したものの、150キロ台後半を連発して2奪三振、無失点。シーズンを通してクローザーを務めることができれば、最多セーブのタイトルも見えてくるだろう。

阪神タイガース



 2年連続セーブ王に輝き、絶対的守護神だったスアレスがパドレスへ移籍。代わりに今季クローザーとして期待されて契約を結んだのはカイル・ケラーだった。しかし新型コロナ禍の影響で来日が3月にずれ込んだ。アメリカでの自主トレ期間もブルペンに入り投げ込んでいたというが、開幕2週間前での来日もあり、すぐにクローザーで成功する可能性は低い。そこでまずはセットアッパーの岩崎優がその座を託される可能性が高いだろう。安定感は抜群だけに、ケラーが本調子となるまでは、左腕クローザーが9回を締める。

東京ヤクルトスワローズ



 高津臣吾監督は今季もマクガフをクローザーに据えるつもりでいた。しかし、マクガフが2月3日に新型コロナウイルスの陽性判定を受けてキャンプを一時離脱。一軍キャンプへは2月15日に合流したものの3月11日、ソフトバンクとのオープン戦(神宮)が実戦初登板で不安が残る。マクガフが開幕までに状態が上がらなかった場合、代わりにクローザーを務めるのは元守護神・石山泰稚の可能性が高い。昨季は不調によりクローザーの座をマクガフに譲ったが、日本シリーズでは復調の気配を見せた。通算100セーブまであと15。守護神の座を奪回し、節目の10年目に記録達成をしたいところだ。開幕まで残り約2週間。高津監督は抑えをだれに託すのか。その采配にも注目だ。

広島東洋カープ



 2年連続“失敗しない男”として、抜群の安定感を見せる。ルーキーイヤーの昨季、開幕から守護神に抜てきされた栗林良吏は、2リーグ制後の新人記録を更新するデビューから22試合連続無失点をマーク。東京五輪でも守護神として、全5試合に登板して2勝3セーブの活躍で金メダルに貢献。休む間もなく始まった後半戦でもセーブを重ね、新人最多タイ記録となるシーズン37セーブを挙げると、ライバルたちを押しのけて新人王にも輝いている。しかも、セーブ機会では1度も失敗しなかったという頼もしさだ。今春も順調な調整ぶりで、9回は栗林がいれば間違いない。この男に“2年目のジンクス”は関係ない。

中日ドラゴンズ



 今季も竜の守護神はライデル・マルティネスだ。新たに総額6億円(推定)の3年契約を結び、背番号も97から92へと変更。春季キャンプでは体を追い込むことをテーマとし、二軍の読谷で黙々と体を仕上げた。その座を脅かす存在は見当たらず、絶対無二の存在として9回のマウンドに上がる。「開幕までには仕上げて、1年間戦えるようにしたい」と本人の自覚も十分。以前は走者を出すと途端に落ち着きを失ったが、その悪癖も改善されつつある。一昨年、昨年と2年連続して20セーブ以上を達成したことで自信がつき、抑えとしての風格が漂う。故障さえなければ3年連続20セーブ、いや今季は初の30セーブに期待したい。

横浜DeNAベイスターズ



 クローザー候補として獲得した新助っ人のブルックス・クリスキーの来日が遅れており、現時点では昨季23セーブの三嶋一輝と、2018年、19年のセーブ王・山崎康晃が競い合っている。三嶋は新たにシュートを習得、山崎はキレを取り戻すために体を絞るなどそれぞれテーマをキャンプに持って臨み、オープン戦では三嶋が4試合、山崎が3試合を投げて無失点。失点こそなかったものの、三嶋は安打を集められるなど内容的には山崎がわずかにリードか。9回のマウンドをめぐる競争は、開幕ギリギリまで続きそうだ。

写真=BBM
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