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500試合以上で先発ゼロはわずか6人の「レア記録」現役では誰? 400試合以上では?

 

3月6日、巨人とのオープン戦で先発マウンドに立った日本ハム・宮西


 3月6日に行われた日本ハムと巨人のオープン戦(札幌ドーム)で、日本ハムのリリーフエース・宮西尚生が先発マウンドに立った。宮西はプロ入りから公式戦784試合すべてでリリーフ登板。これまで一度も先発登板はないだけに驚きの展開だった。では、宮西と同じ「公式戦先発0回のベテラン投手」は、ほかにいるのだろうか?

500試合以上で先発0回の現役選手はわずか2人


 通算500試合以上登板している現役投手で、公式戦の先発経験がないのは2人しかいない。まずはオープン戦の先発登板で注目を集めた日本ハムの宮西尚生だ。現役最多の784試合に登板し、歴代最多の373ホールドをマークしているが、先発はこれまで一度もない。まさに生粋のリリーバーだ。

 もう1人がロッテ益田直也だ。プロ1年目の2012年に中継ぎを任されて好投し、翌年は抑えで起用されリーグ最多セーブを記録。以降、プロ生活10年間で中継ぎと抑えしか経験しておらず、通算593試合で先発登板は0回となっている。

 500試合以上登板で先発0回は現役選手では2人しかいないが、引退選手を含めても実は6人しかいない。現役の宮西、益田以外は、五十嵐亮太(823試合)、藤田宗一(600試合)、武田久(534試合)、高橋聡文(532試合)の4人。登板数歴代最多の岩瀬仁紀は実は公式戦での先発を1度経験しており、名リリーバーとして名をはせ、通算782試合に登板した藤川球児も元は先発投手。引退まで先発0回というのはレアケースなのだ。

通算823試合に登板し、先発はゼロの五十嵐[写真はヤクルト時代]


●500試合以上登板で先発0回の選手

・五十嵐亮太 通算823試合
・宮西尚生 通算784試合
・藤田宗一 通算600試合
・益田直也 通算593試合
・武田久 通算534試合
・高橋聡文 通算532試合

400試合以上で見ても新たに2人しか該当せず


400試合以上の現役ではソフトバンク・森、DeNA・山崎が先発ゼロ


 500試合以上で見た場合、公式戦先発0回の現役投手は2人しかいない。では、「400試合以上」ではどうだろうか。これまで400試合以上に登板しながらも、先発0回の現役投手を調べたところ、ソフトバンクの森唯斗とDeNAの山崎康晃が該当した。

 森はプロ1年目の2014年から2017年までは中継ぎとして活躍し、2018年からは抑えで起用されている。ここまで公式戦435試合に登板しているが、先発起用は一度もない。山崎もプロ1年目から抑えに抜擢され、いきなり37セーブをマーク。そのまま不動の抑えに定着したため、先発で投げる機会は訪れていない。

 400試合以上経験しているほかの現役投手はいずれも先発登板しており、例えばリリーフのイメージが強い投手では、オリックス平野佳寿は通算595試合で先発が68回。同じくオリックスの増井浩俊も549試合中39試合で先発登板している。また、西武のリリーフエース・増田達至はプロ1年目に2度先発で起用。今季からソフトバンクのリリーフ陣に名を連ねる又吉克樹も、先発で投げる機会は過去11回あった。

 野球には「オープナー」という、抑え投手を短いイニングで先発起用し、その後本来の先発投手につなぐという戦術がある。立ち上がりは失点が多いため、普段から短い場面で抑える投手に任せることで、失点の機会や先発の負担を減らすという目的の作戦だ。

 今回のオープン戦での宮西の先発も「オープナー」を試す意味合いのもので、公式戦でも先発起用される可能性もあるだろう。オープン戦では好投を見せた宮西だが、公式戦ではどのようなピッチングを見せてくれるのか注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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