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菅野智之は現役最多? 鈴木啓示、山田久志、村田兆治…開幕投手の歴代勝利数ランキングは?

 

今季、8度目の開幕投手に指名された巨人・菅野は勝利を挙げたら開幕戦で何勝目か?


 今年のプロ野球は3月25日に開幕する。気になる開幕投手だが、巨人はいち早く菅野智之を開幕投手に指名。菅野は開幕試合で過去7度投げており、通算4勝を挙げている。では、開幕戦勝利の歴代最多は何勝なのだろうか。「開幕投手の歴代勝利数」を調べてみた。

歴代最多勝利は9勝


 2リーグ制となった1950年以降を対象に、開幕投手の勝利数を調べてみた。その結果、開幕勝利数上位5人は以下のようになる。

第1位 鈴木啓示(近鉄)14試合9勝2敗
第2位 山田久志(阪急)12試合8勝2敗
第3位 村田兆治(ロッテ)13試合6勝6敗
同3位 北別府学(広島)9試合6勝2敗
同3位 涌井秀章(西武、ロッテ、楽天)10試合6勝3敗

近鉄・鈴木は開幕戦で9勝をマークしている


 歴代最多勝利は鈴木啓示で通算9勝。1967年に初開幕投手を務めると、そこから7年連続で開幕マウンドを任された。その後、引退する1985年までに通算14度もの開幕投手となり(引退年の1985年も開幕で投げている)、歴代最多勝利数をマークした。ちなみに開幕投手14回も、金田正一と並ぶ歴代最多記録だ。

 おしくも鈴木に1勝およばなかったが、歴代2位の8勝を挙げているのが山田久志だ。NPB史上最高のサブマリンは、1975年から1986年までなんと12年連続で開幕投手を務めた。開幕12回という通算回数は歴代4位だが、「12年連続」はまさに不滅の大記録。現役では菅野が今年で5年連続となるが、さすがに12年連続は難しいだろう。

 3位には6勝で3人が並んでいる。まずはマサカリ投法の村田兆治。歴代3位の開幕13試合に登板し、6勝6敗の成績を残している。村田は1983年にトミー・ジョン手術を行ったことにより約2年間も戦列を離れるが、1984年後半で奇跡の復活を果たす。翌1985年は再び剛腕をうならせ、17勝5敗という驚異的な活躍を見せた。さらに、翌1986年からは5年連続で開幕マウンドに立つという偉業も成し遂げている。

 広島の大エース・北別府学も村田と並ぶ開幕戦6勝をマークしている選手だ。1982年に初めて開幕投手を務めると、そこから3年連続で開幕登板・開幕勝利を記録。1985年は大野豊に開幕投手を譲るも、1986年から再び3年連続で開幕マウンドに立つなど、引退する1994年まで9度の開幕投手を務めた。

 村田、北別府のレジェンド2人と並ぶのが、上位5人で唯一の現役選手である涌井。西武、ロッテで開幕戦勝利を挙げていたが、2021年に楽天でも開幕勝利を記録。「3球団で開幕勝利」という大記録を達成した。

現役投手で涌井の次に多いのは?


現役で最も開幕戦で勝利を挙げているのは楽天・涌井だ


 現役投手の開幕試合勝利数は、歴代でも3位に入っている楽天・涌井がトップ。では、ほかにはどの現役投手が開幕勝利数上位なのだろうか。現役Top5を以下にまとめてみた。

第1位 涌井秀章(楽天)10試合6勝3敗
第2位 石川雅規(ヤクルト)9試合5勝3敗
第3位 菅野智之(巨人)7試合4勝2敗
第4位 則本昂大(楽天)6試合3勝2敗
同4位 和田毅(ソフトバンク)4試合3勝0敗

 涌井に次ぐ勝利数なのが、ヤクルトの石川雅規だ。ここまで開幕戦で9度先発しており、5勝3敗と好成績を残している。第3位が巨人の菅野。7試合で4勝を挙げており、もし今年の開幕戦も勝利すれば、勝利数は石川と並んで現役2位タイとなる。4位には楽天の則本がランクイン。今年の開幕投手に指名されており、通算4勝目を挙げられるか注目だ。ソフトバンクのベテラン、和田も開幕戦通算3勝をマーク。今年は千賀滉大が開幕投手を務めるため先発勝利の機会はないが、まだまだ衰えを見せていないため、今後開幕4勝目を挙げる可能性もゼロではない。

 開幕投手の歴代最多勝利数は9勝。現役では涌井の6勝が最多となった。楽天の今季開幕投手は則本に決定している。涌井は通算7勝目の機会を得ることはできなかったが、今季次第で再び開幕投手の座をつかむことができるだろう。現役最多の涌井が歴代トップにどこまで迫れるのか、今後のピッチングに注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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