週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

大田泰示が「開幕二軍危機」 DeNAの熾烈な外野競争で生き残るのは誰だ

 

若手たちが猛アピール


今季、日本ハムから移籍してきた大田も一軍安泰ではない


 DeNAの外野陣で一軍生き残りに向け、熾烈な競争が繰り広げられている。2月の春季キャンプで右腹斜筋肉離れを起こして離脱していた佐野恵太が3月15日のオープン戦・ヤクルト戦(神宮)で復帰すると、2回に右安打を放った。2020年に首位打者を獲得した巧打者はコンデイションが万全なら心配は不要だろう。昨年はコロナ禍で開幕時に不在だったタイラー・オースティンもオープン戦で調整を経て、開幕を迎えられる。

 中堅でリードオフマンを張るのは桑原将志だ。19、20年と一、二軍を往復していたが、三浦大輔監督が就任した昨季は135試合出場で打率.310、14本塁打、43打点。12盗塁をマークし、リーグトップの39二塁打として打線を牽引した。今年も斬り込み隊長として期待が大きい。オープン戦は打率1割台と状態が上がってこなかったが、18日の日本ハム戦(札幌ドーム)で7回に吉田輝星から左越え弾を放った。この一発を復調のきっかけにしたい。

昨季、自己最高の成績を残した楠本もレギュラーを十分に張れる


 佐野、オースティン、桑原はレギュラーで固いと見られるが、虎視眈々と定位置獲りを狙う若手たちが猛アピールしている。その筆頭格がプロ5年目の楠本泰史だ。東北福祉大からドラフト8位で入団した当時は注目度が高いとは言えなかったが、巧みなバットコントロールと選球眼の良さで「楠本は良い選手だよ」と他球団のスコアラーの間で話題になるほどに。昨季は76試合出場で打率.254、2本塁打、18打点と自己最高の成績を記録。代打では44打数13安打、打率.295で得点圏打率.333とシーズン終盤は切り札的な存在だった。

 未完の大器・細川成也も自慢の長打力を発揮している。2日の広島戦(横浜)で左中間席にオープン戦1号を放つと、8日の西武戦(横浜)も今井達也の149キロ直球を弾丸ライナーで左中間席に運ぶ強烈な一撃。確実性が課題だったが、コンタクト率が上がり覚醒の予感が漂う。昨オフはオースティンに誘われて米国で自主トレに励むなど強い決意で今年に臨んでいる。

面白い存在のドラ6ルーキー


センスの良いバッティングでアピールしているルーキーの梶原


 ドラフト6位ルーキーの梶原昂希も面白い存在だ。パワーとスピードを兼ね備えたプレースタイルは大きな可能性を秘めている。まだまだ粗さはあるが、伸びしろは十分。途中出場した12日の楽天戦(静岡)では7回二死二塁で右中間を破る同点適時三塁打を放つなど、現在は二軍だがセンスの良さを垣間見せている。守備と走塁は申し分ない関根大気、19年に打率.279、6本塁打、15盗塁とレギュラーをつかみかけた神里和毅も二軍でくすぶる選手ではない。

 この状況で、新加入の大田泰示も開幕一軍を保証されているわけではない。日本ハムを退団し、東海大相模高で慣れ親しんだ横浜スタジアムを本拠地にするDeNAへの移籍を決断したが、3月19日現在、オープン戦で32打数3安打、打率.097と状態が上がってこない。野球評論家のデーブ大久保氏は昨年12月に週刊ベースボールのコラムで、「(大田)泰示がDeNAに入ることによって以前の力を発揮した場合、いろいろなパターンで攻撃できますし、守備も変化ができる。彼は外野ならどこでも守れますし、内野も可能ですから。それに右の大砲は、どのチームでも欲しい存在。さらに泰示は東海大相模高の出身で、地元に戻った感じになると思いますから、22年はやってくれると思います」と期待を込めている。一軍の切符、レギュラーをつかむため打ち続けるしかない。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング