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中島宏之、松田宣浩、大島洋平…“超一流の証明”通算2000安打を達成できるのは?

 

 プロ野球の門戸を叩く選手たちが掲げる目標で聞かれるのが、通算2000安打だ。レギュラーで長年活躍し続けなければ達成できない大記録で、技術だけでなく体の強さ、いかなる状況でも結果を残し続ける強靭な精神力が求められる。中島宏之は現在1899安打、松田宣浩は1811安打、大島洋平は1748安打をマークしている。チーム内で置かれた立場はそれぞれ違うが、不可欠な選手であることは変わらない。今年も安打を重ねられるか。

西武時代に3割を6度マーク


今年で40歳になる中島。勝負強い打撃は衰えていない


・中島宏之(巨人)
※2021年成績81試合出場 打率.271、6本塁打、26打点、0盗塁
※NPB通算1863試合出場 打率.294、208本塁打、974打点、144盗塁

 紆余曲折を経た野球人生で、大台達成が見えてきた。西武では大型遊撃手として2006年から5年連続を含む打率3割を6度マークし、08年は.410、09年は.398で2年連続最高出塁率のタイトルを獲得。09年は173安打で最多安打に輝いた。海外FA権を行使して米国に渡った13、14年の2年間はメジャー出場が叶わず、苦しい時期を過ごした。

 オリックスで4年間プレーした後、18年オフに原辰徳監督のラブコールを受けて巨人へ。移籍初年度の19年は43試合出場で打率.148、1本塁打、5打点とふるわず、「限界説」も出たが、代名詞だったバットを大上段に掲げる構えからグリップの位置を両肩より下げ、左足の上げ幅を小さくした打撃フォームに大幅改造したことで復活する。確実性が高まり、広角に安打を飛ばす。勝負強い打撃で何度もチームを救ってきた。2000安打まで残り101安打。中田翔とのレギュラー争いを制し、今年で一気に大台達成なるか。

誰よりもチームへの愛着が強い「熱男」


昨季は83安打に終わった松田だが、まだ100安打以上する力はある


・松田宣浩(ソフトバンク)
※2021年成績115試合出場 打率.234、14本塁打、47打点、5盗塁
※NPB通算1867試合出場 打率.266、301本塁打、984打点、134盗塁

 ソフトバンク一筋17年目。黄金時代を築いてきた松田が野球人生の岐路を迎えている。2015年からの5年連続を含む7シーズンに全試合出場し、「熱男」の異名でチームの中心的存在だったが、近年は打率が上がらずにスタメンを外れる機会が増えた。昨年は9年連続で2ケタ本塁打、通算300号も達成したが、14年以来7年ぶりに規定打席に到達できず。オフに球団史上最大タイの減俸幅となる3億円減の推定年俸1億5000万円でサインした。

 退団も選択肢に浮かんだがチームへの愛着は誰よりも強い。このままでは終われない思いが勝った。松田が打つとチームも盛り上がる。通算1000打点まで16打点、2000安打まで189本と節目の記録に向け、「数字を一つずつクリアしていくことがモチベーションになる。必ず達成したい」と言葉に力を込める。リチャード井上朋也ら若手が台頭しているが、ホットコーナーは譲れない。

衰え知らずのヒットメーカー


2019、20年と連続で最多安打のタイトルを獲得している大島


・大島洋平(中日)
※2021年成績141試合出場 打率.292、1本塁打、34打点、16盗塁
※NPB通算1572試合出場 打率.289、33本塁打、352打点、249盗塁

 立浪和義新監督が指揮を振るい、各ポジションのレギュラーが白紙になる中で、この男だけは別格だ。ボールを手元まで引き付け、巧みなバットコントロールで広角に安打を量産する。昨季まで10年連続シーズン100安打以上、5度の打率3割超えとヒットメーカーとして打ち続けている。すごみは打撃技術だけではない。34歳シーズンの19年に174安打、35歳シーズンの翌20年に146安打で2年連続最多安打のタイトルを獲得。昨年も160安打を積み上げて衰える気配がまったくない。

 立浪監督の期待も大きい。投手キャプテンに大野雄大、野手キャプテンに大島を指名した。その理由について週刊ベースボールのコラムで、「実績があり、他の選手が一目を置き、緊張感を持てる人にやってもらおうと思いました。同時に2人の指名には、彼ら自身に成長してほしいという思いもあります。大野選手、大島選手とも実際にはそうではないのですが、ファンの方に聞くと、マイペースで淡々としてやっている印象があったようです。2人には自分の中だけではなく、周りに分かるような強いリーダーシップを発揮してほしいと思っています。自分の姿、背中を若手に見せて引っ張るだけではなく、仮に自分がなかなか成績を出せない時期であっても、チームをしっかり引っ張っていってほしい。時に叱りながらチームを引き締めてほしいと思っています」と綴っている。36歳のベテランはまだまだ発展途上。今年も安打を打ち続ける。

写真=BBM
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