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昨季最下位の西武が優勝争いのダークホースか 「タレントはそろっている」の声が

 

強力打線の復活は


山川が四番を1年間全うできれば攻撃力は間違いなく上がる


 混戦が予想されるパ・リーグで、王座奪回を虎視眈々と狙うのが西武だ。昨季は55勝70敗18分で42年ぶりの最下位に低迷。2018、19年とリーグ連覇を飾ったときの強さが影を潜めた。

 チーム防御率3.94はリーグ優勝を飾った18年の4.24、19年の4.35を上回る。低迷の原因は機能しなかった「山賊打線」だ。チーム得点521はリーグ5位。復活が待たれるのが山川穂高だ。山川の成績はチーム状態を大きく左右する。18年は47本塁打、19年は43本塁打と2年連続タイトルを獲得してチームをリーグ連覇に導いたが、20年は右足首を捻挫して強行出場したことで打撃のバランスを崩した。規定打席到達者の中で最下位の打率.205で24本塁打と激減。昨年も.232、24本塁打と低調な成績に。不動の四番として期待されながら、八番でスタメン出場の屈辱も味わった。

 ただ、光は差し込んでいる。昨年10月の月間成績は打率.306、6本塁打、11打点と好成績をマーク。ミートポイントが前になり高々と舞い上がる弾道が多く見られるようになった。遠くへ飛ばす打撃技術は球界屈指なだけに、40本塁打を打ってもらわなければ困る。

 外崎修汰もキーマンの1人だ。昨年は4月に左足首に死球を受けて「左腓骨骨折」で戦線離脱。手術して7月に一軍復帰したが、本来のパフォーマンスには程遠く打率.220、5本塁打と不完全燃焼だった。19年に打率.274、26本塁打、22盗塁と俊足、パンチ力を兼ね備えたプレースタイルで「トリプルスリーも狙える素材」と称されただけに、復活に期待したい。

伸び盛りの若手先発陣


先発ローテーションに隅田[写真]、佐藤の2人の新人左腕が加わった


 ただ、破壊力抜群の「山賊打線」を再現するのは難しいのも事実だ。メンバーも入れ替わり、目指す野球の方向性を考えたときに、昨年より強化された投手陣の未来は明るい。先発陣を見ると、昨季自己最多の11勝をマークした高橋光成、自身初の2ケタ勝利を挙げた松本航、球界を代表する右腕になる潜在能力を秘めた今井達也、将来のエースと期待される渡邉勇太朗の4本柱に、ドラフト1位・隅田知一郎、2位・佐藤隼輔が加入した。隅田はオープン戦3試合登板で防御率1.80、佐藤も21日のヤクルト戦(ベルーナ)で先発して5回1安打無失点と快投を披露し、開幕先発ローテーション入りを決めた。さらに新外国人のエンススミスもいる。

「先発陣は年齢的にこれからピークを迎える若手ばかり。中継ぎも球に力のある森脇亮介宮川哲水上由伸、実績十分の増田達至平井克典武隈祥太十亀剣と十分に戦える陣容で抑えは抜群の安定感を誇る平良海馬がいる。投打でタレントはそろっているので、昨年のオリックスのように最下位から頂点に立つ力は十分にあると思います」(スポーツ紙記者)

評論家の1位予想も


 野球評論家の真中満氏も週刊ベースボールのパ・リーグ順位予想企画で、リーグ優勝に西武を予想。「話題の日本ハムは若い選手が多く、他球団に比べて戦力的に厳しい。パ・リーグは5強1弱の構図になるのではないかと思います。そんな中、昨季最下位の西武を1位に予想しました。高橋光成、今井達也、松本航の先発3本柱の成長と新人の隅田知一郎、佐藤隼輔の加入が大きい。打線は山川穂高が目覚めれば、投打ともに頭一つ抜ける可能性があります」と分析している。

 辻発彦監督は就任6年目を迎える。選手たちも目指す野球の方向性、求められている役割を熟知している。昨季の悔しさを晴らすシーズンにしたい。

写真=BBM
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