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オープン戦「下位起用」の丸佳浩 他球団から「絶対に状態上げてくる」と警戒の声が

 

オープン戦で19打席連続無安打も……


今年も巨人打線を牽引する存在であるのは間違いない丸


 巨人の首脳陣は胸をなでおろしただろう。

 打撃の状態が上がっていなかった丸佳浩が3月21日のオープン戦最終戦・楽天戦(東京ドーム)で「七番・中堅」でスタメン出場し、2号ソロを含む猛打賞の活躍。2回二死で左翼フェンス直撃の二塁打を放つと、5回に田中将大の外角から入ってくる「バックドア」のスライダーをバックスクリーンへ運んだ。7回も小峯新陸の153キロを中前にはじき返した。オープン戦の中盤以降は19打席連続無安打と苦しみ、打順が七、八番まで下がった。開幕直前に不安を払拭した形になったが、他球団のスコアラーは「騒ぎですよ」と苦笑いを浮かべる。

「オープン戦で打てなくて、ああだこうだ言われる選手ではない。シーズンに入ればきっちり成績を残す選手ですから。打ち出すと止まらないし、本当に厄介な打者です。丸は打てなくてもスタメンに名を連ねるだけでバッテリーに与える迫力が違う。絶対に状態を上げてくるので警戒する選手であることは変わりません」(スポーツ紙記者)

 昨年は悔しいシーズンになった。開幕して間もなく新型コロナウイルスに感染したことが判明して戦線離脱。その後も打撃の調子が上向かず6月に故障以外で9年ぶりにファーム降格した。一軍復帰以降は調子を上げたが、8月以降は再びスランプに入り、スタメンを外れることも。118試合出場で打率.265、23本塁打、55打点は納得のいく数字ではない。広島時代から続いていた自身のリーグ優勝も5年連続で止まった。ただ、替えの利かない選手であることは変わらない。昨季の出塁率.365はチームトップと選球眼の良さは健在で、6年連続20本塁打をマーク。ミート能力とパンチ力を兼ね備えた打撃技術は錆びついていない。

丸は何番を打つことになるか?


 注目されるのは起用法だ。昨年の打順を見ると、三番が最も多く55試合で、六番が22試合、五番が16試合と中軸を担うことが多かったが、今年のオープン戦では松原聖弥の打撃不振もあり、一番で起用されることがあった。

 野球評論家の川口和久氏は週刊ベースボールのコラムで、丸の一番起用に理解を示している。

「2007年には高橋由伸を置いたことがあったが、そのイメージだろう。実際、オープン戦では丸佳浩を一番に起用しているが、これは面白いな、と思った。従来の一番像は、中日大島洋平のように足が速くて、三振が少なく、逆方向に打ち返すことができ、打率を残せるバッターだ。その考えからなら、今までなら松原聖弥、吉川尚輝らが候補になる。そこから二番打者最強論なら坂本勇人を置き、三番が丸、四番・岡本和真、五番・中田翔、あるいはウィーラーか新外国人となるのかな。ただ、投手陣がはっきりしない中で、より初回の得点力を上げ、ゲームを支配していこうという原辰徳監督が考え、そこから出たのが一番最強論だと思う。丸の場合、さきほどの一番の条件をすべてそなえたうえで、長打力もあるしね。実際、先発タイプの投手は立ち上がりに隙ができることは多い。一番から長打で畳みかけていけば大量点で投手を楽にすることもできるだろう」

 どの打順で起用されるか注目されるが、丸の活躍が今年の巨人の命運を大きく左右することは間違いない。

写真=BBM
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