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新庄ハムで怖いのは現有戦力の故障離脱だけ!? パ・リーグ6球団 シーズン「最大の不安」は?

 

いよいよ、開幕を迎えた2022年のプロ野球。各球団が優勝を目指して143試合を戦っていくが、果たしてすべてのチームが万全な状態といえるのか。パ・リーグ6球団のペナントレースを勝ち抜く上での「最大の不安」は……。

オリックス・バファローズ



 エース・山本由伸を筆頭に投手陣は先発、救援ともコマがそろう中で不安は攻撃面だ。吉田正尚、杉本裕太郎が絶対的な軸だが、吉田正は両足首の手術明け。開幕には合わせてきたものの、開幕直後からエンジン全開とはいかない可能性も十分。杉本も昨季のブレークでマークが厳しくなるのは想像に難くない。内角球への対応力を磨いてきた成果が問われそうだが、オープン戦終盤は快音が止まったのは気がかりだ。仮に両主砲が不振に陥れば……。T-岡田が故障離脱し、スイッチヒッターの新助っ人・バレラは中距離打者と破壊力は見込めない。太田椋ら若手の底上げが欠かせない野手は、やや層の薄さが否めないだけに、不安は攻撃陣。得点を奪わなければ、投手力という武器を生かせないが、果たして──。

千葉ロッテマリーンズ



 助っ人頼みからの脱却なるか。安田尚憲、山口航輝の“YY砲”の飛躍が期待される今季だが、安田は状態が上らず二軍調整。山口もオープン戦終盤は持ち前の思い切りの良さが消えつつあり、凡打が目立った。レアードマーティンは健在で、レアードにいたってはオープン戦3本塁打と状態の良さを維持。高部瑛斗がオープン戦首位者となり、藤原恭大も3月21日の中日とのオープン戦(バンテリン)で満塁弾を放ち、平沢大河もオープン戦打率3割と底上げされつつある打線だが、長打力ではまだまだ助っ人頼みが否めない。投手陣は小島和哉佐々木朗希と着実に若手が芽を出す中で、攻撃面でも若き力の台頭が待たれるところ。売りである足を絡めた緻密な野球は、長打力があれば、より引き立つのは間違いない。果たして助っ人砲に続く存在が現れるか。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 オープン戦は引き分けを挟んでの8連勝締め。12球団トップの11勝2敗3分の好成績を残した。不安点を挙げるとすれば、下半身のコンディション不良による辰己涼介の離脱と、今月に入って来日したギッテンスマルモレホスが二軍スタートとなったことか。ただし外野陣では新加入の西川遥輝が順調な調整を印象づけ、新顔では和田恋がアピールに成功して開幕スタメンに「当確ランプ」。田中和基小郷裕哉もスピードを生かしたプレースタイルで定位置奪取をうかがい、内野陣でも山崎剛小深田大翔渡邊佳明が外野を守れる万能性を示した。選手層の厚さは例年を上回る。攻撃面では、両助っ人に頼らずとも序盤戦を十分に戦える戦力が整っている。

福岡ソフトバンクホークス



 藤本博史監督となって迎える新シーズン。野手出身の指揮官とあって、攻撃陣がどう機能するかは注目の1つだ。就任直後からチーム内競争をあおってきたが、「最後まで迷っている」と語ったのは三塁。大砲候補・リチャードがその打棒でライバルたちに差をつけてくれればよかったのだが、オープン戦に入ってもなかなか調子が上がらず。結果的に指揮官はベテラン・松田宣浩の開幕戦起用を決めた。ただ、松田も全盛期に比べると衰えは否めない。下位打線に入ることが濃厚だが、チャンスで回ってきたときにブレーキとならないといいのだが……。三塁起用も示唆されていたF.ガルビスにしても、日本の野球に順応するにはもう少し時間がかかりそうだ。また、開幕直前に先発陣を襲ったアクシデントも気掛かり。ローテ最後の1枠最有力だった田中正義が右肩違和感で、ローテ内定していた松本裕樹が鍼治療の鍼が折れ体内に残るという“事故”でリハビリ組へ。いずれも開幕アウトとなった。代わりに杉山一樹大関友久が登板する予定だが、チャンスをものにできるか。BIGBOSSという予測不能の敵も含めて、開幕から波乱が起きてもおかしくない。

北海道日本ハムファイターズ



 開幕投手はドラフト8位ルーキー・北山亘基に決まった。BIGBOSS監督の予測不能な采配や起用法は今後も続くだろうが、横一線の勝負から全選手で挑む姿勢は変わらない。「キャンプからオープン戦にかけてやってきたことを続けていくのは僕の中でブレないところ。選手たちが今までやってきたことを吐き出してくれたらいい」とBIGBOSS監督の信念は一貫している。最大の不安要素と言えば選手のケガだ。実績のある選手が乏しく若手の力は未知数。レギュラー候補だった野村佑希と五十幡亮汰が開幕に間に合わなかったのは痛い。大黒柱・近藤健介もオープン戦で左ヒザ違和感を訴えた。新外国人は全員そろい戦力の上積みは見込めるが、現有戦力の負傷離脱は避けたいところだ。

埼玉西武ライオンズ



 昨季42年ぶりの最下位に沈んだ西武だが、逆襲を誓う今季、現状では大きな不安点はない。4年連続リーグ最低のチーム防御率の投手陣も経験を重ねてきた若手が成長。ドラフト1、2位左腕の隅田知一郎佐藤隼輔もプロの世界で真価を発揮する可能性は高い。今井が右内転筋張りで開幕先発ローテーションから外れたが、代役として佐藤が穴を埋める。先発として期待される新外国人のスミスエンスも日本球界にアジャストしそうで、先発陣は質量ともに豊富になっている。出遅れていた守護神・平良海馬も順調にステップを踏み、近いうちに一軍復帰を果たすだろう。オープン戦最後の2試合を右脚の張りで欠場した山川穂高も、大事には至らず開幕四番を務めることに。ここ2年、納得のいかない成績に終わっていた主砲が万全なら“不安点”は完全になくなる。

写真=BBM
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