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川口和久WEBコラム

首位快走の巨人が秘める不安/川口和久WEBコラム

 

1年間をどう戦うか



 原辰徳監督がシーズン前に「今年は厳しくなるかもしれない」と珍しくマジメな顔で嘆いていたが、今のところジャイアンツは8勝1敗と首位を快走している。

 要因は岡本和真をはじめ、好調な打撃陣だが、不安視された投手陣も先発で堀田賢慎赤星優志山崎伊織、リリーフで戸田懐生、大勢らと、言っちゃ悪いが、未知数のピッチャーたちがチームの助けになっている。

 大勢、赤星については以前、先発、リリーフとも投手陣に不安がある中、即戦力ルーキーたちをなぜキャンプの最初から一軍でいかないのかという話を書いたことがある。

 実際、こうやって活躍しているからそれでいいじゃないかと言われそうだが、初めての1シーズンの長丁場はきつい。最初は勢いで活躍しても、どこか今は見えない課題が出る可能性もある。

 いくら大卒でそれなりに完成しているとはいえ、開幕から一軍で使う可能性があるなら、リスクを少しでも減らすために、それなりの心身の準備をキャンプ初日からやってほしかったなと思う。

 ただ、スカウトはうれしいんじゃないかな。ずっと上位がダメと言われてきたが、この2人に加え、堀田、鍬原拓也と過去の1位が活躍しているからね。

 いまジャイアンツで怖いのは、未知数と思われながら頑張ってる彼らが落ちてきたら誰が次に来るんだ、ということだ。大勢がそうだが、この使い方ならどこかでばてる。過去は主戦クラスがばてた夏場くらいに若手が上がってきたが、今回は逆。二軍にいる新外国人が上がってきたとしても、すぐアジャストできるかは分からないしね。

 もう一つ気になるのは中継ぎ陣だ。俺がコーチ時代に感じたことだが、中継ぎの踏ん張り次第で勝つ試合が年間10試合程度ある。そこは選手の力もあるけど、投手コーチが誰をつぎ込むか、どこで代えるかのさじ加減も重要だ。

 原監督は投手起用を桑田真澄コーチに任せているという。今はうまくやり繰りしているが、これから1年間をどうしのいでいくか。

 お手並み拝見といきましょうか。

写真=BBM
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