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阪神は“糸井三番”で連敗ストップなるか!? セ・リーグ6球団 「三番打者事情」は?

 

クリーンアップの一角を占める三番打者。走者をかえすポイントゲッター、四番につなぐ役割と打線の中でも重要なポジションだ。開幕から3カードが経過したペナントレースだが、果たして各球団、ここにどのような打者を配置しているのか。セ・リーグ6球団の「三打者事情」を見ていく。
※記録は4月4日現在

阪神タイガース



 開幕から9連敗を喫した阪神の中で、極めて元気なのが40歳の糸井嘉男だ。8試合目までマルテが三番に座っていたが、「右足のコンディショニング不良」で登録抹消に。そこで4月3日の巨人戦(東京ドーム)で糸井が「三番・左翼」で先発出場。6回には今季2号となる2ランを放つなど打撃好調だ。チーム最多の9打点を挙げ、得点圏打率は.625と勝負強い。開幕戦でもスタメン出場して本塁打を放つなど、バットでチームを鼓舞する。マルテがいない分、今後は三番打者として、頼れるベテランの力で連敗をストップしてみせる。

読売ジャイアンツ


巨人・G.ポランコ


 開幕から新助っ人のG.ポランコが三番に収まっている。ここまで打率.259、4打点は物足りないものの、すでに3本塁打を放ち、なにより8四球で出塁率は.429と後ろに四番・岡本和真が控える中で抜群の生産性を見せている。圧巻だったのは4月2日の阪神戦(東京ドーム)。小川一平のストレートを一閃するとあっという間に右翼席の上段へ着弾。ウワサに違わぬパワーを見せつけた。ここまではしっかり主軸の役割を果たしていると言えるが、低調な得点圏での打率が上がってくれば打線の迫力はさらに増していく。

広島東洋カープ



 3年目の昨季、遊撃で113試合に出場し、規定打席にもあとわずかとブレークを果たした小園海斗。今季は開幕から三番に固定されるなど攻守で大きな期待をかけられているが、現状はなかなか厳しい。開幕戦こそマルチ安打スタートも、快音が続かず。ここまで打率はレギュラー陣で唯一の1割台(.139)。本人は「苦手意識はない」と語る左投手に対しては、打率.091と苦戦を強いられている。一番・西川龍馬、二番・菊池涼介が出塁してチャンスで回ってくることも多いため、不調が際立って見えるのも、本人にとってはツラいところだ。4月3日には9回に代打を送られ、目標としていたフルイニング出場も叶わず。悔しさを力に変えて、巻き返すことができるか。

東京ヤクルトスワローズ



 ヤクルトの三番といえば山田哲人。2015年から三番に入り、今季も全試合三番で出場中だ。4度目のトリプルスリー達成にも意欲を示しており、阪神との開幕戦(京セラドーム)では早速1本塁打、1盗塁を記録した。山田の魅力は何といってもスピードとパワー。一振りで試合を決めることもできれば、走者無しから単打と盗塁、または長打で一気にチャンスをつくることもできる。後ろに控える四番・村上宗隆とのコンビは、投手にとって脅威。開幕3カードを終えて、打率.241とまだ本調子ではないものの、4月2日に達成した250号本塁打で勢いにのっていきたいところだ。

横浜DeNAベイスターズ



 開幕3戦目以降は佐野恵太が三番に座り、DeNA打線で存在感を発揮している。キャンプ中盤に右腹斜筋肉離れのためファームでリハビリに専念し、一軍合流は3月15日まで遅れた。実戦での打席不足、調整の遅れが懸念されたが、シーズンが開幕すると周囲の心配を自身のバットで一掃する。8試合を終えた時点で、打率.353、2本塁打、12安打はいずれもチームトップ。四番・牧秀悟、五番・宮崎敏郎とともに、オースティンソトが不在という打線を力強くけん引する。

中日ドラゴンズ



 開幕から4試合、三番スタメンはすべて異なった。順に、福留孝介阿部寿樹、鵜飼航丞、大島洋平立浪和義監督も「クリーンアップが一枚足りない」とこぼしていたが、5戦目からルーキーの鵜飼航丞を続けて起用している。魅力は何と言ってもフルスイングからの長打力。3月30日のDeNA戦(バンテリン)では待望のプロ1号。「詰まりました」と苦笑しながら、広いバンテリンドームの左翼スタンド中段まで運んで見せた。ただ、まだ安定感に欠ける部分は否めない。4月2日の広島戦(バンテリン)では4打席連続三振。各球団の“鵜飼対策”は今後さらに進んでいく。プロの洗礼ではあるが、そこをクリアして三番に定着したい。

写真=BBM
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