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巨人に投手王国の予感…堀田賢慎、赤星優志、山崎伊織は「次期エース」になれるか

 

四球で崩れない右腕


今季、ドラフト3位で巨人に入団した赤星


 開幕12試合で9勝3敗と見事にスタートダッシュした成功した巨人。目立つのは新戦力の活躍だ。

 守護神に抜擢されたドラフト1位右腕・大勢は早くも球団新人最多タイ記録の7セーブを記録。プロ2年目の戸田懐生も4月2日の阪神戦(東京ドーム)で好救援を見せ、プロ初勝利をマークした。

 先発陣もフレッシュな顔ぶれが躍動している。ドラフト3位・赤星優志はデビュー戦となった3月27日の中日戦(東京ドーム)で6回1失点の快投を見せると、4月3日の阪神戦(東京ドーム)でも7回4安打2失点の好投で、セ・リーグの新人で初勝利一番乗りに。顔色一つ変えず、淡々とアウトを重ねていく姿が頼もしい。ツーシーム、カットボール、スライダー、フォーク、カーブなど多彩な変化球が低めに決まり、140キロ台後半の直球もキレ味十分で打者が差し込まれる。四球で崩れる心配がないので、首脳陣も安心してみていられるだろう。

期待の大きさを物語る「19」


スケールの大きい投球が魅力の山崎


 プロ2年目の山崎伊織も将来が嘱望される右腕だ。最速153キロの直球と鋭く横滑りするスライダーを軸にスケールの大きさはピカ一。東海大4年の20年3月に右ヒジ靭帯部分断裂と診断され、6月にトミー・ジョン手術を受けたため、新人の昨年はリハビリに専念したが、今年は春季キャンプで一軍スタート。上原浩治菅野智之とエースの先輩たちが着けていた背番号「19」が期待の大きさを物語っている。

 開幕2戦目の3月26日の中日戦(東京ドーム)で先発に抜擢されると、6回3失点と合格点をつけられる内容でチームの白星に貢献した。4月2日の阪神戦(東京ドーム)は4回途中で7安打3失点と制球がばらつき降板してファームに降格したが、悲観する内容ではないだろう。球の精度を上げれば十分に先発ローテーションに割って入れる。課題と共に大きな手応えもつかんだろう。

地道なリハビリを乗り越えて


スターになる資質を兼ね備えている堀田


 高卒3年目・堀田賢慎もスターの資質を兼ね備えている。ロッテ佐々木朗希ヤクルト奥川恭伸と同世代のドラフト1位右腕は1年目の4月にトミー・ジョン手術を受け、同年12月に育成契約へ。地道なリハビリを乗り越えると、3年目の今年は春季キャンプで一軍スタートに。実戦で結果を残し続けて支配下昇格すると、3月31日のヤクルト戦(神宮)で6回5安打無失点の好投でプロ初登板初先発初勝利。4月7日の広島戦(マツダ広島)は4回4失点でプロ初黒星を喫したが、すべての経験が糧になる。直球の質、変化球の精度を磨く必要があるが、登板を重ねることで成長する姿を見せたい。

「堀田、赤星、山崎と同じ右腕でもそれぞれタイプが違う。共通するのは精神的な強さです。堀田、山崎は故障からはい上がり、赤星も日大鶴ケ丘高で甲子園出場に届かず、日大では4年春まで東都2部リーグと日の当たる道を歩んできたわけではない。悔しい思いをした分、心身共にたくましさを感じる。年齢も近いですし、かつての斎藤雅樹槙原寛己桑田真澄のような球界を代表する3本柱を形成してほしいですね」(スポーツ紙記者)
  
 菅野からエースを継承する右腕はどの投手になるか。互いの存在を刺激に、今後も切磋琢磨して投手王国を築けるか。

写真=BBM
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