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首位・広島は“当たり”新助っ人が鈴木誠也の穴を埋めた! セ・リーグ6球団 「四番事情」は?

 

試合を決める一打を放つ四番打者。打線の中心に座り、チームをけん引する役割を担っていくが、彼らの出来がペナントの行方を左右すると言っても過言ではない。まだ開幕から5カード目を終えた時点だが、果たして各球団、四番打者は健在か。セ・リーグ6球団の「四番事情」を見ていく。
※記録は4月11日現在

広島東洋カープ



 主砲・鈴木誠也が抜けたことで、当初はルーキーの末包昇大を四番候補として春季キャンプから期待されていたが、やはりルーキーには重荷だった。オープン戦終盤から開幕四番を務めたのはベテラン・松山竜平。経験値に、勝負強さも相まって適任かと思われたが、それを超える“適任ぶり”を見せるのが新助っ人のマクブルームだ。初出場の3月29日の阪神戦(マツダ広島)で来日初安打をマークすると、以降四番に座って要所で鋭いバッティング。試合を決める一打&一発も放っている。4月7日の巨人戦(マツダ広島)で投球を頭部に受けた影響も感じさせず。久しぶりのカープの“当たり”新助っ人となりそうだ。

読売ジャイアンツ


巨人・岡本和真


 現状の打線の中では、坂本勇人の二番以上に不動の打順だ。今季も岡本和真が四番を任されている。昨季まで2年連続で本塁打と打点の打撃2冠。25歳にして球界を代表する打者の1人へと成長を遂げた。徐々にリーダーとしての自覚も芽生え、その背中と行動で若手野手たちの先頭に立つ姿も印象的になっている。今季もここまで打率こそ.273だが、4本塁打と11打点はリーグトップタイ。しっかりと「指定席」を座りながらチームをけん引している。期待されるのはさらに上のレベル、首位打者も加えた三冠王だろう。

東京ヤクルトスワローズ



 2020、21年と2年連続で全試合四番出場中の村上宗隆は、今季も開幕から四番の座を守り続けている。4月1日のDeNA戦(神宮)、開幕7戦目にしてようやく第1号アーチを放つと、2日は延長10回にサヨナラ二塁打。5日の中日戦(神宮)では2本塁打と、4月に入って持ち味の長打力を見せている。チームは14試合を終えて7勝7敗と貯金は0。奥川恭伸サンタナがコンディション不良で戦列を離れる事態も発生し、なかなか良い流れに乗れていない。豪快な一発だけでなく、確実性を上げていき、バットでチームに勢いをもたらしたい。

中日ドラゴンズ


中日・ビシエド


 来日1年目の2016年から不動の四番がビシエドだ。今季も3年連続4度目となる開幕戦本塁打を放って幸先の良いスタートを切ったが、そのあとが続かない。ここまで12試合で本塁打はその1本のみ。打点3に打率は.227と四番の働きはできていない。4月1日の広島戦(バンテリン)では好機に倒れたあと、ベンチで壁を蹴り上げてフラストレーションを爆発させた。「あの温厚なビシエドが……」と話題になったが、それほどの不振というわけだ。好調時のビシエドは強いライナー性の当たりが多くなるが、ゴロやポップフライと凡打の山。それでも立浪和義監督は「四番はビシエドしかいない」と断言。頼れる助っ人の復調を待っている。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA・牧秀悟


 ルーキーイヤーだった昨年10月、ケガのオースティンに代わって四番を任された牧秀悟は15試合で58打数30安打、打率.517と驚異の数字を残した。2年目の今季、新型コロナ陽性判定でキャンプは出遅れたが、オープン戦で結果を残すと、三浦大輔監督は「打線で一番座りがいい。前後の打者を含めて、総合的に判断しました」と牧の四番起用を決めた。シーズン開幕から10試合で打率.342、2本塁打と頼もしさは健在。しかし、現在ベイスターズは新型コロナ感染者が多数出ており、牧も2度目の感染で静養中。4月12日からの巨人戦(那覇)は佐野恵太、もしくは宮崎敏郎が四番に座ると見られる。

阪神タイガース


阪神・佐藤輝明


 開幕から阪神の四番の座に就いているのは2年目の佐藤輝明だ。14試合が終わった時点で打率.281、2本塁打、7打点。1勝12敗1分けと低迷するチームで打率自体はいいのだが、打点がもう少し必要か。春季キャンプから大山悠輔と四番の座を争った。打撃フォームを修正し、昨年目立っていた空振りが減少。よりボールをとらえる確率が上がったことでオープン戦でも結果を残し、四番を奪い取った。チーム状況が悪い中でも、打線をけん引するのが四番の仕事。ここからさらに状態を上げていき、チームを勝利に導いていく。

写真=BBM
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