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楽天・西川遥輝が新天地で打率.316、出塁率.449の躍動に、「最も効果的な補強」の声が

 

古巣・日本ハム戦で活躍


今季から楽天に加入した西川。日本ハム時代と変わらぬ輝きを見せている


 楽天・西川遥輝が新天地で存在感を発揮している。

 4月8日からの古巣・日本ハム3連戦(札幌ドーム)では、11打数5安打4打点と昨年まで慣れ親しんだホームグラウンドで大暴れ。初戦は1対0の4回一死二、三塁で伊藤大海の直球を右前へはじき返す2点適時打を放つと、2戦目も猛打賞とダイヤモンドを疾走した。3戦目は2点差を追いかける7回一死満塁で右翼線に適時二塁打。同一カード3連勝はならなかったが、一時同点に追いつく一打に二塁の塁上で拳を突き上げた。

 左翼の守備でも大きく貢献した。初戦に1点リードの3回一死二、三塁のピンチで、野村佑希のフライを捕球すると、三塁を狙った二塁走者・上野響平を好返球で刺して併殺が完成。試合の主導権を相手に渡さなかった。

 日本ハムでリーグ優勝2度、日本一1度を経験。リードオフマンとして打線を牽引してきた。コンスタントに安打を打つだけでなく、選球眼も良いので出塁率が高い。2018年、20年はリーグ最多四球を選び、日本一に輝いた16年は出塁率.405、20年は自身最多の出塁率.430をマークしている。昨年は打率.233、3本塁打、35打点と打撃は状態が上がらずに苦しんだが、24盗塁で自身4度目の盗塁王を獲得した。

出塁率の高いチャンスメーカー


 楽天が最も欲しい人材が出塁率の高いチャンスメーカーだった。昨年は田中将大が8年ぶりに日本球界に復帰し、岸孝之則本昂大涌井秀章早川隆久と強力先発陣を結成。戦前は優勝候補として下馬評が高かったが、爆発力を欠いて3位に終わった。532得点はリーグ4位。シーズンを通じて一番を固定できなかったのが課題の一つだった。小深田大翔辰己涼介山崎剛など8選手が起用されたが、満足できる結果を残せたとは言い難い。

 西川は楽天に欠けていたピースにピタリとはまる選手だった。通算出塁率.380と高い確率で塁に出るので、初回から得点が入る可能性が高まる。パンチ力もある。今月6日の西武戦(楽天生命パーク)では初回に四球で出塁。3点を先制する呼び水になると、1点差に迫られた5回に右中間へ移籍後初本塁打となる1号ソロで再び流れを引き寄せた。

4月6日の西武戦では試合後に岸[左]、浅村[右]とともにお立ち台へ


 快勝した試合後のお立ち台では、先制適時打を放った浅村栄斗が「遥輝が加入してチャンスで回ってくることが多いので、なんとか仕事をしようと思いました」と振り返り、7回2失点の好投で今季初勝利をマークした岸も「初回の3点がすごく大きかったですし、やっぱり遥輝のホームランが一番大きかったです」と絶賛。西川は「いつも先輩方には気にかけていていただいて、本当にやりやすくやらせてもらっていますし、感謝しかありません」と語り、「僕よりもたくさんお金を持っていますし、何も恩返しできないんですけど、こういう形で恩返しができて良かったです」とスタンドの笑いを誘った。楽天ファンからもすっかり愛されている。

新ユニフォーム姿に違和感なし


「状況に応じた打撃ができるし、足でかき回してくるのでバッテリーは神経を使う。経験豊富な選手なので勝つ術も知っている。マルモレホスギッテンスの両外国人を補強しましたが、楽天の最も効果的な補強は西川でしょう」(スポーツ紙記者)

 クリムゾンレッドのユニフォーム姿も違和感がなくなってきた。スピードスターが杜の都でも疾走する。

写真=BBM
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