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巨人にはリリーフ陣の“救世主”鍬原拓也が! セ・リーグ6球団 「予想外の活躍」を見せる選手は?

 

ペナントレースは始まったばかりだが、いろいろ誤算は生じるものである。ただ、そこには“悪い”誤算と“いい”誤算がある。前者は起きてほしくないが、後者は大歓迎だろう。例えば期待以上の働きをする選手が現れるのも、その一つだ。セ・リーグ6球団の「予想外の活躍」を見せている選手は、果たして――。
※記録は4月15日現在

読売ジャイアンツ



 2度の育成落ちから今季開幕直前になって支配下復帰を果たした鍬原拓也が、ブルペンの救世主となっている。かつてのドライチ右腕は2020年に右ヒジの肘頭骨折で手術。育成となってリハビリに励み、昨年8月に支配下復帰したものの一軍登板はないまま2度目の育成落ちを経験していた。しかし、今季は開幕からフル回転を見せ、ここまで8戦連続無失点。立て続けにピンチで火消しに成功して首脳陣の信頼をつかんだ。「厳しい場面で投げさせてもらい、抑えて、自信になった」という新たなセットアッパーが、これからもリリーフ陣をけん引していく。

広島東洋カープ



 恐怖の八番打者と言ってもいいだろう。鈴木誠也が抜けて外野のレギュラーは西川龍馬のみ、残る2枠でルーキー・末包昇大とともに、「八番・中堅」で開幕スタメンをつかんだのが上本崇司だった。オープン戦打率.385、サヨナラ本塁打を放つなど勝負強さも見せていた背番号0を10年目にして初抜てきした佐々岡真司監督の采配が、これほどまでに大当たりするとは。ここまでリーグ8位の打率.313もさることながら、目を見張るのはリーグトップの出塁率.468だ。途中出場も多かった上本だけに打席の役割を熟知しており、10球以上粘って出塁することも。出塁した上本を一番の西川龍馬、二番の菊池涼介でかえすという得点パターンがこれまで数多く見られている。八番・上本は今のチームにとって欠かせないキーマンだ。

東京ヤクルトスワローズ



 2年目のドライチ右腕・木澤尚文が初の開幕一軍入りを果たすと、3月29日の巨人戦(神宮)でプロ初登板。2回無失点でデビューを飾ると、その後も好投を続け、ここまで5試合登板で防御率0.00と結果を残している。好調の要因は、なんといっても新球種のシュート。右打者の内角へと食い込む変化球を習得したことで、投球の幅が広がり、カットボールもより効果的になった。延長12回制が復活したこともあり、ブルペン陣に新戦力が台頭したことはチームにとって大きなプラス材料。シーズンはまだまだ続くが、このまま好調を維持していきたい。

中日ドラゴンズ



 本来であれば開幕スタメンに阿部寿樹の名前はなかった。立浪和義監督は三塁に3年目の石川昂弥を抜てき、三塁を守っていた高橋周平が二塁に回ることになっていたからだ。阿部の立場はサブ。しかし、高橋周が開幕直前に左足首の捻挫で戦線離脱。仲間の不幸を喜んではいけないが、阿部にとっては大きなチャンスとなった。開幕からスタメンに名を連ねて存在感を発揮、4戦目から五番に定着した。打率は3割には届いていないものの、好機に強く、得点圏打率はここまで脅威の.545。4月1日の広島戦(バンテリン)からは7試合連続打点でチームの勝利に貢献している。昨年前半の打撃不振が嘘のような勝負強さ。予想を上回る活躍を見せている。

横浜DeNAベイスターズ



 トミー・ジョン手術からここまで復活するとはうれしい驚きだ。育成契約となったリハビリ期間を含めれば、プロで15年目のシーズンとなる田中健二朗。昨季、復活のマウンドに立つと、今季は開幕から中継ぎで躍動。ここまで6試合登板で0勝0敗1ホールド、防御率1.42と32歳がしっかりとブルペンを支えている。4月12、13日の巨人戦(那覇)では、常葉菊川高3年春のセンバツでも対戦した中田翔(当時、大阪桐蔭高)から、2夜連続で空振り三振を奪うなど、劣勢のチームの中で光を放った。2016、17年と2年連続で60試合以上に登板したタフネス左腕が、かつての姿を取り戻しつつある。

阪神タイガース



 4月15日が終わった時点で2勝しかしていないチームにとって予想以上に活躍している選手を見つけるのは厳しいのだが、その中でも「これくらいはやってくれるだろう」と期待どおりの活躍を見せているのが浜地真澄だ。4月13日の中日戦(バンテリン)の7回に登板し、1イニングを無失点に抑えた。これで3試合連続無失点となり、通算では7試合登板で防御率1.29の好成績。入団当初の期待感からすれば遅咲きとも言えるし、これくらいやって当たり前というところか。厳しいチーム状況だけに、浜地の存在感が今後増していくことは間違いない。

写真=BBM
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