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ロッテには完全試合アシストの“驚異の高卒新人”松川虎生! パ・リーグ6球団 「予想外の活躍」を見せる選手は?

 

ペナントレースは始まったばかりだが、いろいろ誤算は生じるものである。ただ、そこには“悪い”誤算と“いい”誤算がある。前者は起きてほしくないが、後者は大歓迎だろう。例えば期待以上の働きをする選手が現れるのも、その一つだ。パ・リーグ6球団の「予想外の活躍」を見せている選手は、果たして――。
※記録は4月15日現在

千葉ロッテマリーンズ



 高卒ドライチの松川虎生が良い意味で期待を裏切っている。一軍にあたるA班でキャンプインすると、アピールを続けて高卒捕手史上3人目となる開幕スタメンマスクをかぶってみせた。基本的に高卒は育成方針の球団だが、堂々たるプレーと高い捕球技術などで首脳陣、そして投手の信頼を得て、一軍定着。経験を積んでいる途中とはいえ、4月10日には佐々木朗希の完全試合をアシストするなどリード面も問題はない。打撃面では打率1割台と目立った成績こそ残していないが、果敢にスイングして右方向へ運ぶ内容を見れば、今後の向上を期待させるもの。“次代の正捕手”筆頭候補と言われたが、今季終了後には堂々たる“正捕手”に君臨している可能性は大いにある。

福岡ソフトバンクホークス



 速い、速いとは聞いていたが、まさかこれほどまで速いとは……と周囲を驚かせているのが、ドラフト4位ルーキーの野村勇だ。その俊足は2020年に盗塁王に輝いたホークスが誇るスピードスター、周東佑京より速いと評判になっている。4月14日のロッテ戦(PayPayドーム)でも、初回、中堅フェンスを直撃する当たりで悠々と三塁到達。その後、先制のホームを踏んだ。また、8回には四球と右前打で三塁まで進むと、牧原大成の遊ゴロで迷わずスタート。相手遊撃手・エチェバリアも素早く捕球し本塁へ送球したが、野村のダイビングヘッドのほうが速かった。貴重な追加点となっただけに、この日ヒーローとなった千賀滉大中村晃がともに、もう1人のヒーローとして名前を挙げた。守っては本職の遊撃だけでなく、二塁、三塁、外野もできるユーティリティー。さまざまな役割を担うルーキーの存在価値は高い。

北海道日本ハムファイターズ



 プロ11年目の松本剛が絶好調だ。BIGBOSSから開幕四番に抜てきされた今季は、16試合消化時点で打率.383とリーグトップを走る。得点圏打率も断トツ1位の.750。盗塁数もトップですでにキャリアハイの7個と、攻守走にポテンシャルが開花した。四番を務めたのは3試合のみだが、四番での成績は11打数7安打、打率.636と無類の勝負強さを誇っている。「しっかり(頭の中を)整理して打席に入っている」と好調の要因を分析。盗塁は自己判断の「グリーンライト」ではなく、「失敗してもベンチの責任」で思い切って走れることが奏功する。規定打席に到達したのは2017年のみで以降はレギュラーをつかみきれない日々が続いたが、一気にリーグをけん引する打者へと駆け上がる。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 ドラフト2位ルーキーの捕手・安田悠馬とともに開幕一軍入りを果たしたのが同6位の右腕・西垣雅矢だ。3月25日、ロッテとの開幕戦(楽天生命パーク)でデビューを果たすと、ここまで安樂智大の7試合、松井裕樹の6試合に次ぐ5試合に登板と奮闘中だ。石井一久GM兼任監督が評価するのは、ストライクゾーンで勝負ができる球の強さ。スライダー、フォークを交えて打者と勝負している。まだまだハードルは存在するが、今後も結果を残し続ければ、勝ちパターンでの起用も見えてきそうだ。

オリックス・バファローズ



 最大の武器である足だけでなく、パワーも見せつけているのが佐野皓大だ。50メートル走5秒8の俊足を誇り代走の切り札として存在感を示してきた中で、今季は早くも2本塁打。4月3日の日本ハム戦(京セラドーム)で河野竜生から第1号アーチ。お立ち台に上がって「見た目はパワーがなさそうですが……頑張ります(笑)」とおどけてみせると、4月9日のロッテ戦(ZOZOマリン)でも小島和哉から逆転3ランを放って、先発・山本由伸の今季3勝目&昨季から続くシーズン18連勝をアシスタントした。ただ、翌10日に新型コロナの陽性反応が出て隔離療養中。バットが好調なだけに早期復帰で、打線を活気づけたい。

埼玉西武ライオンズ



 正捕手・森友哉が右人さし指骨折で離脱する緊急事態で、高卒4年目の捕手が奮闘している。4月6日の楽天戦(楽天生命パーク)で一軍デビューした牧野翔矢。同戦はスタメンマスクをかぶり、3回の初打席で初安打をマークすると、10日のソフトバンク戦(ベルーナ)では2回にチーム51イニングぶりとなるタイムリーも放った。9日のソフトバンク戦から15日のオリックス戦(ベルーナ)まで5試合連続スタメンマスク中。9日の試合は7投手の継投で延長12回0対0の引き分けを演出するリード。翌日も5投手の継投で完封リレーに導いて6対0の勝利を呼び寄せ、チームの連敗を7でストップさせた。「投手を強気にリードする」と辻発彦監督も認める背番号38。森不在の間にどこまで成長するか楽しみだ。

写真=BBM
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